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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 佐久間宣行と若手作家のテレビ放談

『あたらしいテレビ』人気放送作家の「裏方はTwitter見るの禁止!」という提言は是か否か?

高視聴率とネットのバズり、社会的影響力はどちらが大きい?

 続いてのテーマは、ズバリTwitterだ。

竹村 「みんな、テレビマンはTwitter見てるよね。結局、Twitterのリアクションを見てるから。Twitterの人たちに向けて作ってる。リアルタイムで流れてくる感想が嬉しくて。だから、Twitterが騒ぐタレントさんを起用しがちっていう」

原田 「でも、弊害として、例えば○○○(ピー音)みたいなムチャクチャ大きいファンダムを使用したとして、世界トレンドで1位になるみたいな現象が起こっても、蓋開いてみたら視聴率は各局で1番下みたいな現象がムチャクチャ起こっちゃうので」

竹村 「だから、『Twitter見るの禁止!』みたいにしないと。本当に、Twitterに向けて作っちゃうから」

 かつて、テレビを見ないことを美学にしがちだったネット民。一方、テレビマンは強烈にSNSを意識している……というねじれ現象を感じる。

 あと、ピー音が被さった原田の発言だが、(あくまで筆者の予想だが)彼は「ジャニーズ」と言っていた気がするのだ。人気アイドルが出演するや、番組の内容と関係のないツイート(「カッコいい!」「可愛い!」など)をファンがつぶやき、結果、世界トレンド1位に到達する現象はよく見る。バズりと視聴率が比例しないのは、道理だ。

 しかし、現実はTwitterに向けて作られる番組が多い。そもそも、NHKの『紅白歌合戦』が、率先してTwitterを駆使していたはずだ。あと、Twitterで話題になり、後からTVerで見返すという流れも今や定番。それこそ、『ここにタイトルを入力』はその類の番組だったし、『奥様ッソ!』も完全にそれだろう。

加納 「(『奥様ッソ!』は)ウソみたいな視聴率やったんすよね?」

大森 「そうですね。視聴率0.0%っていう」

加納 「(爆笑)」

 視聴率10%程度なら、むしろ視聴率が0.0%でもTwitterでバズるほうが社会的影響力がある……とも考えられる。例えば、『ラヴィット!』(TBS系)に出演する山添寛(相席スタート)が同番組でブレイクした要因は、Twitterからの援護射撃も大きかったと思うのだ。

 番組終盤で、佐久間はこんな発言をした。

「今って仕掛けたものがネットで絶対気付いてもらえるから、『これ、届かないかなあ?』ってものも気付いてもらえる時代なんですね」(佐久間)

 これは真理だろう。だからこそ、「テレビマンがSNSウケの良いコンテンツを作るのは仕方ないか?」という思いにもぶつかってしまった。佐久間の論は、竹村による「テレビマンはTwitter見るの禁止!」という提唱と表裏一体である。

 

 今年の『あたらしいテレビ』も面白かった……が、筆者は以前の円卓形式が好きだったので、名残惜しくもある。同じ方向を見据える人のみの座談会だと、『Quick Japan』(太田出版)の誌面をそのまま読んでるような感覚に陥り、テレビ番組としては少し食い足らない印象もあったからだ。

 それこそ、彼ら彼女らが老害と捉えるベテランテレビマンたちは、今回の座談会を受けてどう感じるだろう? 両者のすり合わせも見てみたいと思った。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2023/01/10 11:00
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