山下美月は朝ドラ、久保史緒里は大河ドラマに…乃木坂46の女優戦略、なぜ成功?
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乃木坂46のドラマ戦略がかまびすしい。2022年12月24日まで、筒井あやめがテレビ東京系「ドラマ25」の枠で『真相は耳の中』に出演していた。また、賀喜遥香が12月16日までテレビ朝日系の金曜ナイトドラマ『最初はパー』に出演していた。
清宮レイは11月公開の映画『死神遣いの事件帖 -月花奇譚-』で映画初出演を果たし、ヒロイン役を務めている。同じく11月から公開された映画『左様なら今晩は』では、久保史緒里が映画初出演にして初主演。その勢いそのままに、2023年の『どうする家康』(NHK)でグループ初の大河ドラマレギュラー出演も決定した。
ほかにも、梅澤美波が2023年2月から同名人気漫画の舞台化作品『キングダム』に出演。同じく2023年3月と4月には、田村真佑が舞台『たぶんこれ銀河鉄道の夜』への出演が決定。また、オカルトホラー作家・雨穴原案のヒューマンホラーサスペンスドラマ『何かおかしい』の続編『何かおかしい2』(Paraviほか)の9話に、弓木奈於の出演が決まった。
ドラマ、映画、舞台……いったいなぜ、乃木坂46の女優進出が賑わっているのだろうか。
業界内に乃木坂ファンが多い?
「まず、業界内に乃木坂ファンが多いことが挙げられます。久保が『左様なら今晩は』にキャスティングされた背景には、脚本・監督を務める高橋名月氏の猛プッシュがあったといいます。高橋氏は1996年生まれの若手クリエイター。高校在学中に執筆した『正しいバスの見分けかた』で、第14回伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞短編の部グランプリを映画祭史上最年少の18歳で受賞。翌年、自身でメガホンを取り、中条あやみ主演で映像化した手腕を持っています。ほかの監督作にドラマ『メンタル強め美女白川さん』(テレビ東京系)があります。
高橋氏は『左様なら今晩は』初日の舞台挨拶で『乃木坂46の27thシングル<ごめんねFingers crossed>の個人PVを見ていて、久保さんの演技がすごくナチュラルだし、すっと通り抜けない、引っかかるところがある、とても素敵な女優さんだなと思っていた』と絶賛していました。この個人PVは、シングル付属の特典映像として収録されているものです。『Seventeen』モデルの出口夏希(2022年夏に卒業)と“友達同士”として共演していますが、その自然体の演技に高橋氏は惹かれたのでしょう」(芸能ライター)
シングルごとに全メンバー1人ずつ撮影する個人PV。歌やダンスだけでなくショートドラマもあり、それぞれの魅力が凝縮されている。また、個人PVは作品を手がけた若手クリエイターの育成の場でもあるため、そのクリエイターがのちに楽曲のMVを手がけたり、さらには映像の分野で活躍したりするなど、再びグループを下支えするという良い循環を作り出している。
クリエイターとの信頼関係
連綿と続く乃木坂メンバーの女優進出の歴史。田村真佑が出る『たぶんこれ銀河鉄道の夜』の脚本・演出は、劇団「ヨーロッパ企画」の上田誠氏。同作は、ニッポン放送の人気深夜ラジオ番組『オールナイトニッポン』55周年を記念し、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をベースに舞台を構築する。
上田氏は2017年、『オールナイトニッポン』50周年記念公演『続・時をかける少女』を手がけており、当時乃木坂に在籍していた新内眞衣が出演している。
その2年後の2019年、上田氏はニッポン放送開局65周年記念公演として舞台『たけしの挑戦状 ビヨンド』を手がけており、そこには鈴木絢音が出演。さらに、2021年の舞台『夜は短し歩けよ乙女』では久保史緒里が出演している。
「2期生の新内、鈴木、3期生の久保に続き、今回の田村は4期生。このように期をまたいで間断なく起用され続けることができるのも、グループの強みかもしれません。もちろんそこは両者の信頼関係があってこそですが、次にキャスティングされる後輩は、先輩からそのクリエイターの特性について聞き出すことができます。ちなみに、筒井が出演しているドラマ『真相は耳の中』の原案・企画・プロデュースを手がける畑中翔太は、与田祐希が地上波連続ドラマ初主演を果たした『量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-』(テレビ東京系)も担当していました」(同)
朝ドラで好演する山下美月の成功
乃木坂メンバーの女優業への積極的な進出は、最近の山下美月の成功も影響しているだろう。加入して6年、グループを牽引する存在となりながら、連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK)では現役メンバー初の朝ドラ出演を果たし、ヒロインの幼なじみ役を好演している。演技の仕事は個々の素質やモチベーションにもよるが、山下の場合ははじめからその方向性を模索し、うまくステップアップしてシフトしていった。
そんな山下の成功例をいい教科書として、運営側も、彼女たちが仮に卒業した後も芸能界でポジションを得られるよう、うまくフォローアップしているようにも見える。さらに、別のファン層へのリーチを見込んでいるという狙いもあるだろう。ゆくゆくは日本アカデミー賞受賞者の輩出も期待される、乃木坂46に注目したい。
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