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ダウンタウンとイジりとコンプラと… 規制や批判広がる芸能バラエティ番組雑話

ダウンタウンとイジりとコンプラと… 規制や批判広がる芸能バラエティ番組雑話の画像1
ダウンタウン(写真/Getty Imagesより)

記者I 毎週末に日刊サイゾーで連載している“週末芸能ニュース雑話”の特別版として、2022年のバラエティを振り返ってみる今回の企画。本サイトでも反響の大きかったバラエティに関する2022年の記事を上位からピックしてみましたが、なかなか傾向が見えてくるものでした。

 そのひとつが“コンプライアンス”に関して。『志村けんとドリフの大爆笑物語』(フジテレビ系)について元ホームチームの檜山豊さんの分析は、その顕著なものだったのではないでしょうか。

デスクH ドリフターズだと昨年は、仲本工事さんもお亡くなりになられて寂しい限りだったね。それはさておき、ここで言うコンプライアンスは「法令の遵守」というより「社会的倫理における過剰なマナーの強制」、ようするに「炎上しないための予防線」ってことでしょ。

 ドリフはBPOが嫌がるだろう「痛みを伴う笑い」や「女性の裸身」といった表現や下ネタがてんこ盛りだったし、今となってはありえない。

 けど、遠藤憲一が演じるいかりや長助が言った「楽しみにしてくれてる4500万人とアンチの200人、どっちの声に耳を傾ける?」といったセリフは、どのメディアでも大事にしていきたいよなぁ。

記者I SNSの時代となり、より批判や悪意が目につきやすくなってきたからこそ覚えておきたい言葉ですよね。コンプラ周りで言えば、今年もお騒がせしていたのが『水曜日のダウンタウン』(TBS系)でした。4月27日の放送では「若手芸人コンプライアンスでがんじがらめにされても従わざるを得ない説」の検証企画を放送。行き過ぎた自粛の中で笑いが取れるかに挑戦しています。

デスクH とかく話題になりがちな“ドッキリ”だけど、こういったドキュメントっぽい生の反応で笑うのは「作りこまれた笑い」への反発のような気も。ここ数年で拒否反応が顕著になってきていてYouTubeみたいな生っぽさへ視聴者の感覚がシフトしてきている気もするなぁ。

記者I お笑いはHIPHOP以上に「リアル」であることが求められる時代なんですね……。最初はネタでしたが、結果として「リアル」になってしまった事例、芸人・長野とお見送り芸人しんいちが揉めるきっかけとなった『陰口引き出し王決定戦』も『水ダウ』でした。

デスクH MC BATTLEでDOTAMAに散々バカにされて本当にキレちゃうMCもいるらしいけど、永野はそれと一緒な気がするなぁ。ネタと分かっていても受け止めきれないほど人格由来だから刺さっちゃうやつ。仕事でだって人格攻撃したらパワハラ認定される時代だから、やめたほうが良いはずなんだけど、ヒリつくほどに面白くなっていくのはギャンブルに近いというか。

記者I 永野もしんいちもお互いに相当だとは思いますけどね。ギャンブルといえば、ギャンブル好きな“クズ芸人”たちの台頭も2022年はトピックでしょうか。相席スタートの山添なんて麒麟・川島明の代役として『ラヴィット』でMCを務めるほどに急成長しています。

デスクH ある意味ではすごく人間らしいというか、生っぽい欲望が丸見えというか。冒頭で話したドリフコントの鉄板「志村後ろー!」と同じように、コンプラのデッドラインの上を歩ける存在だからこそ「クズ、ダメ!」と視聴者が反応しやすくて良いのでは。

 放送されるたびに話題になる『ヤギと大悟』(テレビ東京系)とかも、その延長線上にある気がするなぁ。

 千鳥の大悟なんて今や大御所に片足突っ込んでいるけど元々、ギャンブル大好きで酒も女も大好きな昭和っぽいクズ芸人の第一人者じゃない。そういった「ダメさ」や「クズだけが持つ優しい視点」とかは、生っぽいドキュメントと好相性なんだろうね。

記者I YouTubeの『街録ch』やお騒がせ炎上タレントが人気なのも、そういった流れを感じますね。コンプラを守っているだけでは見えない境地を、視聴者も求めているんでしょうかね。

 こういったクズエピソードとセットになりがちなのが「イジリ」ですが、芸人ではない視聴者がうかつに手を出すと大やけどすることも。

デスクH とある芸人が言っていた「信頼関係があるからイジっていい」なんて、身も蓋もないもんなぁ。そのうち、テレビ番組も「この芸人はイジられるための訓練を受けています」とかテロップで入れ始めるようになりそう。クズもコンプラ違反もイジリも芸人だけに許された特権になっていくのかもね。

記者I バナナマンの日村勇紀は『せっかくグルメ』(TBS系)での素人イジリでさらに名を上げたといった記事もありましたが、技術力と人格というかキャラクターがあってこそな気がしますよね。

デスクH 今年のM-1グランプリで松本人志が優勝したウエストランドに対して「こんなちょっと窮屈な時代なんですけど、キャラクターとテクニックさえあれば、こんな毒舌漫才もまだまだ受け入れられる」と言っていたけど、方向性は違うけど“まさにそれ”って感じだよね。ダウンタウンもトーク番組でタレントやアーティストを上手にイジってきただけあって、共感するものがあったのかもね。

記者I ダウンタウンの記事は日刊サイゾーでもよく読まれていましたよね。還暦手前にしてまだまだ人気は衰えずですが、今の脂が乗った30代の芸人はイケイケだったころのダウンタウンをテレビで見ていただけに、歯がゆい思いをしていそうですね。

デスクH もちろん、それも技術とキャラがあってこその話しだけどね。しっかりとお笑い分析をしてしまったことを反省しつつ、今回はこのあたりで。

日刊サイゾー

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にっかんさいぞー

最終更新:2023/01/07 19:00
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