『ザ・ノンフィクション』2022年衝撃回BEST3 満場一致の「神回」は?
#フジテレビ #ザ・ノンフィクション
ここ数年、視聴率が振るわないフジテレビだが、ネット上で毎週のように放送内容が大きな話題になるのが『ザ・ノンフィクション』。市井で暮らす人々に密着し、人間模様を紹介するこの番組には毎回、「よく見つけたな」と感嘆しきりなキャラの濃い人物が登場する。
今年の放送も楽しみなところだが、2022年の放送でとりわけインパクトがあったのはどの回か? テレビ情報誌記者と民放バラエティ番組制作関係者が、独断と偏見でBEST3を選びました。
【第3位】「あの日 僕を捨てた父は ~孤独な芸人の悲しき人生~」(10月23日・30日放送)
2週に分けて放送された、ゲーム芸人・フジタに密着した回。フジタは数万本のゲームソフトを持つ芸人だが、その経緯は悲しみに満ち溢れている。フジタが幼稚園の時に母が亡くなり、父と2人暮らしになったが、父は女を作って出ていってしまった。しかもその女性はフジタの同級生の母親。父は定期的に金だけを渡しに来るが、フジタは自宅で1人ぼっちとなり、悲しみを癒やすためにのめり込んだのがゲームだった。
そんな父など見捨ててしまってもよさそうなものだが、現在は40代になったフジタは、認知症の症状を示し始めた父の面倒を見ている。父は金遣いが荒くなり、借金は溜まる一方だが、フジタから父を奪った女・朱美に渡す金のことだけは忘れない。フジタは朱美に「もうお金は渡せない」と告げるが、朱美は激昂し――
「一番の楽しみを取り上げるなんて」
「あの子(フジタ)のこと嫌いになっちゃった」
「お金がないなら若いんだから働いて」
と、不満をぶちまける。しかしフジタは関係修復を試み、エンディングはフジタと父、朱美で旅行へ行くシーン。あまりにも度量が広いフジタ、生涯にわたって息子に迷惑をかけ続ける父、とにかく利己的な朱美──3人のコントラストは『ザ・ノン』の真骨頂だったのではないか。フジタの子ども時代のことを尋ねられた朱美は、
「(父は)真也くん(フジタのこと)には厳しかった。かわいそうだった」
「昔のことを思い出すと私もつらい」
と、まるで責任を感じていないようで、ネットでは「あまりに胸クソが悪い」という声が溢れ返りました。
【第2位】「彼女が旅に出る理由 ~すれ違う母と娘の行方~」(8月21日放送)
主人公のミサト(28才)は、専門学校を卒業して老舗ホテルに就職したものの、2年で退職。転職を重ねたあと、現在は軽バンに乗って気の向くままに全国を回る生活を送っている。ミサトは、
「死にそうになりながら働いて幸せじゃないより、旅に出て、生きてる実感を得ていたい」
「お金の掛からない生活をしてる自然派の人たちと出会って、人生で今、一番楽しい」
「お金じゃない幸せを見つけた」
と語り、お金の掛からない生活をしたいのだ。
しかし母親は、そういった生き方がまるで理解できない。それもそのはず、母親に「連絡場所ぐらい知らせなさい」と言われたミサトは、邪険にこの申し出を拒んだが、「携帯代だって払ってあげてるのに」と言われる始末。さらに自宅に戻る度にお小遣いももらっているようで、まったく経済的に自立できていないのだ。
それでも旅を続けるミサトは、大分のネギ農家の仕事を見つけ、ようやく自分が思い描く生活への足がかりを掴んだかと思われたが、エンディングであっけなく「体調を崩して、ネギ農家を辞めてしまいました」と報告される。異常に世間体を気にし、ミサトが自宅に帰ると「表に出るな」「車を隠せ」という母親もエキセントリックだが、自分探しの実情はただのすねかじりだったという内容は、賛否を呼ぶものとなりました。
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