トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ  > 必死だからこそエモくなる
タカ&ユージのあぶないお笑い批評

『M-1』のドラマティックさは今年がピーク? 必死だからこそエモくなる

『M-1』のドラマティックさは今年がピーク? 必死だからこそエモくなるの画像1
『M-1グランプリ』公式サイトより

お笑いブームがいよいよ極まってきている。ただただ楽しく観るのもいいが、ふとした瞬間に現代社会を映す鏡となるのもお笑いの面白いところ。だったらちょっと真面目にお笑いを語ってみてもいいのではないか──というわけで、お笑いウォッチャー・タカ&ユージが気になる動きを勝手に読み解く!

ユージ 各所で『M-1グランプリ』(テレビ朝日系/12月18日放送)の分析記事やレビューが書かれ、当事者たちのコメントもそろそろ出きった感じがします。ここまで含めての『M-1』ですね。最初は個別のネタの話からスタートしましょうか。どのネタが面白かったですか?

タカ 私は自分でちょっと意外だったんですが、真空ジェシカでしたね。ちょっと知識があるほうが笑えるボケやツッコミがちりばめられている感じにクスっと笑いました。

ユージ 私はさや香の1本目と男性ブランコが面白かったです。しゃべくり漫才とコント師ならではの漫才で真逆のものではありますが、いずれも予選やその前後のライブで何度か観た上で決勝で観てもまだ笑えて、強いなと。

タカ 男ブラはコント師らしいネタでしたね。彼らだけでなく、最近は“漫才の中のコント”の範疇では収まらないくらいのネタをやる組が増えた気がします。もしかしたら、ガンマイクで拾ってくれるからなのかもしれませんね。

ユージ たしかに、去年のロングコートダディとか今年のヨネダ2000とか、サンパチマイクから離れてステージを横いっぱいに使ってました。マヂカルラブリー野田もラジオや「反省会」配信で「コント師が強くなってきていよいよ漫才の幅が広がってきてる」というようなことを言ってましたし、その傾向はトレンドといってもいいかもです。

タカ ヨネダといえば、志らくの「女の武器を使ってないのがいい」というコメントが批判を受けていました。言いたいことはわかるし褒め言葉のつもりだったんでしょうけど、あれはどう言うのが“正解”だったんでしょうね。実際、ヨネダにはそういう良さがたしかにある。でも「性別の枠にとらわれないネタで良かった」みたいな言い方でも叩かれるときは叩かれる気がします。

ユージ 難しいですよね。ヨネダを性別の枠組みに当てはめて考えること自体無粋にも思えますが、それも言い方が問われますし。「女版ランジャタイ」も褒め方としてはちょっとどうなんだろう? と思わなくもないです。もちろん志らくがランジャタイの大ファンだということはオープニングから強調されていた上での発言ではあるんですが。生放送の中で一瞬のコメントにあらゆるニュアンスを込めるのは本当に難しいんだろうなと思わされました。

タカ そう、考えてみると志らくがかわいそうにも思えてくる。本当に審査員は大変ですよね。

ユージ 一方で、山田邦子がヨネダに「これはどこから思いついたネタなの?」と聞いていたのがすごく良かったです。あの場であれを質問できる審査員って、まずいないじゃないでか。

タカ あれは本当に良かった。山田邦子の、何を言われてもあんまり気にしないおおらかな感じが光ってましたね。1組目で周囲より低い点数をつけた時点で、気にする人だったら「しくじった!」って番組中ずっと引きずると思う。

ユージ 審査員の中で唯一、松本人志の影響下にない人間という感じがありました。

タカ たけしの影響下にある人ですからね。

12
ページ上部へ戻る

配給映画