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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 有吉弘行の食リポ無限回廊

『有吉クイズ』に新展開、有吉弘行の味を伝えない食リポ無限回廊(心の声)

片岡鶴太郎「自分が寝るっていうよりも、内臓さんを休ませてあげたいと思って」

 21日の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)のゲストは片岡鶴太郎。片岡は、夜の10時に起き、朝の5時までヨガをし、そこから2時間半ほどかけて朝食をとる、という話をしていた。何度かテレビで本人がしてきた話だが、何度聞いてもキテレツである。

 なお、そんな“健康的”な生活を送る片岡が、インフルエンザにかかったときに語ったとされる言葉が私は大好きだ。爆笑問題の太田光いわく、「ヨガの意味、なんもないじゃないですか」とツッコんだ際、片岡は「ヨガやってたからインフルエンザが入る瞬間がわかった」と答えたという(『お願い!ランキング』テレビ朝日系、2019年11月6日)。

 ウイルスに罹患するのは生物として自然なことであり、ヨガはその生物としてのあり方に強引に逆らうものではないのだろうから、インフルエンザにかかったからといってヨガの意味がないとは思わない。けれど、夜10時に起き、朝5時までヨガをし、2時間半かけて朝食をとるという生活を1日も休まず何年も続けてきた成果が「インフルエンザが入る瞬間がわかる」という特に使いようのない能力だというのは、さすが、と感服せざるをえない。いや、本当にその瞬間がわかったのだとしたら、それはそれですごいことだ。人類の進化だ。だから片岡にはもっとヨガを極めて、次はニュートリノが体を通り抜ける瞬間とかわかってほしい。スーパーカミオカンデならぬ、スーパーカタオカンデになってほしい。

 さて、『徹子の部屋』で語られたところによると、片岡はほぼ1日1食だという。食べるのは2時間半かける朝食だけ。ちょうど寝るころに消化が終わり、「心地よい空腹感」のなかで眠りにつくらしい。これを聞いた黒柳徹子は「やっぱり(寝るときは)空腹にしといたほうがいいんですかね?」と質問。その後のトークは次のように展開した。

片岡「空腹にしといたほうが楽ですね。とにかく寝るっていうことは、自分が寝るっていうよりも、内臓さんを休ませてあげたいと思って」

黒柳「話違いますが、こないだ朝ドラにもお出になったんですよね?」

 話、全然ちがう。トークのなかで片岡から「内臓さん」といったワードが出たら、すべてのMCにこれをやってほしい。

黒柳徹子「(言葉が)わかりますよ馬は!」

 23日の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)のゲストは前川清。彼は馬主としても知られる。が、前川いわく、自身の馬は遅いらしい。手塩にかけた馬が初めて走った際、調教師に「牛が走ってんのか?」と言われてショックを受けたこともあるのだとか。そんな前川に黒柳は「おたくの馬は遅いんですか?」と笑いつつ、「『お前は遅いから、速く走るように心がけたほうがいいぜ』って、話しかけてもダメですかね?」と提案。これに前川が「ダメです。言葉はやっぱりわかりませんね」と答えてしまう。黒柳は強く反論する。

「わかりますよ馬は!」

 黒柳によれば、馬に話しかける際のコツは「お話するように」である。「動物なんてものは命令しちゃダメですよ。だから馬に『君はホントは速いのに。速く走ったほうがいいよ』って。『走れよ』とかって命令調にしちゃダメ。お話するように」と黒柳。タモリにもなつかないタモリ邸のネコを自分になつかせ、中国から来たオオカミの気を京劇のモノマネで惹き、友だちのカワウソに会いに上野動物園に通い、旭山動物園でシロクマのイワンくんの恋仲を取りもつ。そんな数多の動物とのエピソードをもつ黒柳ならではのトークである。彼女の前で「動物には言葉がわからない」なんて言ってはダメなのだ。これは基礎教養である。

 ただ、そんな黒柳にも言葉が通じない動物がいる。サイだ。サイには感情の動きがあまりみられず、徹子をもってしても会話が難しいのだという(『笑っていいとも!』フジテレビ系、2014年3月28日)。若手・中堅の芸人へのいわゆる“塩対応”がバラエティ番組で話題になり、『徹子の部屋』サイドもその芸人と徹子の噛み合わなさを見どころとして押し出している昨今である。が、それはもはや「噛み合わない」という噛み合いだろう。徹子と本当に噛み合わないのはサイである。芸人でもフワちゃんでもさかなクンでもローラでもなく、サイである。『徹子の部屋』のゲストにサイが迎えられた日。我々はそこで初めて真の噛み合わないトークを見ることになる。

飲用てれび(テレビウォッチャー)

関西在住のテレビウォッチャー。

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いんようてれび

最終更新:2023/02/27 19:50
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