2022年のペヤング総決算<1> 今年は真面目な創作系多し!? ペヤング史上最高傑作ほか3品を振り返る
#カップ麺 #ペヤング #カップ麺一行3昧
2022年も多くの商品が登場した「ペヤング」。「ペヤング」といえば、辛すぎる「獄激辛」や大盛すぎる「ペタマックス」といった奇抜な商品が多いイメージでしたが、実は2022年のペヤングはひと味違いました。
立て続けに登場する創作系の真面目な商品――あの「獄激辛」と同じメーカーが作っているとは到底思えず、内部で穏健派と改革派が抗争しているのではないかと疑ったくらい、方向性がまともで味もおいしい商品が続々と登場した1年だったのです。
今回は、2022年ペヤングの真面目な創作系商品の中から、特に印象に残った3品をピックアップして振り返ります。
2022年ペヤング最高傑作はコレだ!「ペヤング 豚バラ入り旨い辛さの油そば」
まずは、創作系真面目商品が多かった2022年のペヤングの中でも、筆者が特においしいと感じたのが、10月に発売された「ペヤング 豚バラ入り旨い辛さの油そば」250円(税別)。亀田家風だと「3150!」、ダイアン風だと「スー」を差し上げたいくらいの傑作でした。歴代ペヤングでも最強の一角ではないでしょうか。
7月に発売された「ペヤング 迷油」は、ノーマルのペヤングやきそばを油まみれの「油そば」風にした商品でしたが、こちらは真っ赤なパッケージの「激辛ペヤング」を油まみれの「油そば」にして豚バラ肉を入れた商品。ちょっと前まで「迷」っていた「迷油」から、この商品では迷いを断ち切って「油そば」と断言しています。
パッケージには、「激辛ペヤング」に記載されている注意書きのセルフパロディのよううな文章が書かれています。「激辛ペヤング」が発売された当初は最強に辛い商品でしたが、「獄激辛」などそれを上回る多くの激辛商品が出ている今となっては、この辛さでも「辛みが旨い」という表現になってしまうのですね……。隔世の感があります。
「激辛ペヤング」と同じと思われる激辛のソースに、「調味油」によるニンニク風味の油脂を組み合わせています。「激辛ペヤング」のソースは他社レベルだと十分に激辛で、ソースだけ舐めると確かにヤバいのですが、麺と一緒に食べると今回はそこまで辛く感じませんでした。
大量の油脂がソースの辛さをかなり和らげていることに加え、「獄激辛ペヤング」などで私たちの舌がだいぶ鍛えられていることも大きく影響していそう。「獄激辛ペヤング」があまりに常軌を逸しているため、他社の激辛カップ麺や、カップ麺以外の激辛商品をも無力化してしまっています。正直、「獄激辛」を知ってしまうと、他の激辛商品が何も怖くなくなるんですよね。
「調味油」は透明ですが、「激辛ペヤング」のソースは赤いため、混ぜ合わせるとまるでラー油のように真っ赤になります。調味油からは豚脂やニンニクの風味が感じられ、ソースの辛味をまろやかにするとともに、炒めたような調理感を加えていました。
辛さだけなら、調味油を入れない「激辛ペヤング」のほうが強力ですが、豚脂やニンニクで味に奥行きが加わり、単に辛さだけではない魅力的な味となっています。
いつものペヤングの具であるキャベツと鶏挽肉に加え、チップ状の豚バラ肉がかなりたくさん入っており、重量感があります。「調味油」と「豚バラ肉」でかなりヘビー級な構成で、激辛ソースを完全に脇役に追いやる存在感。いつもなら主役の激辛を脇役に回すのはもう、ちょっとズルいですよね。大河ドラマの大泉洋さんレベルの飛び道具。
「調味油」を加えて調理感のある激辛ソースと、豚バラ肉たっぷりの具というダブルで武器のある魅力的な商品で、筆者の個人的見解では「2022年ペヤングのMVP」です。
2022年のペヤングの道筋を示したトップバッター!「ペヤング 明太シーフード唐辛子マヨやきそば」
続いては、1月に発売された「ペヤング 明太シーフード唐辛子マヨやきそば」205円(税別)。ペヤング2022年の最初に登場した商品で、今年数多く発売された真面目な創作系ペヤングの先鞭をつけた存在とも言えるでしょう。
「明太シーフード唐辛子マヨ」という、「スパイダーフラッシュローリングサンダー」ばりにいろいろ詰め込んだ商品名ですが、このパッケージのフォントにあまりデザイン性がなく、かえって無骨さ、真面目さが出ているように思います。
明太子の入った醤油味のソースに唐辛子マヨネーズを合わせ、いつものペヤングの麺と、かにカマ、エビ、イカ、キャベツが入っていて、具だくさんぶりに目がいきます。
カップ焼そばで明太子味のソースといえば、ベース部分はあっさり系の和風味や柔らかいバター風味にすることで、うまく明太子の味を立ていることが多いですが、今回のソースは明太子より濃い醤油味が主役となっています。明太子味のソースでこのパターンはあまりないのではないでしょうか。
辛さはそれほど強くなくて、ピリ辛程度。ソースに関しては「明太シーフード」とは言ってもほぼシーフード要素はなく、明太子と醤油のせめぎ合いという印象です。
唐辛子マヨネーズは、がっつりコクと酸味があって唐辛子も辛いです。主張の強いマヨに対し、今回合わせているソースは醤油のキレが鋭く、明太子もしっかり感じ取れるため、マヨとソースがバチバチにやり合っていました。調和しているというよりは、お互い大声出して殴り合っている感じです。
ソースと唐辛子マヨを合わせて辛さは中辛程度。「獄激辛ペヤング」や「激辛ペヤング」で慣れていると、この辛さはやさしい味と感じるかもしれません。
具には、かにカマ、エビ、イカといったシーフードと、いつものキャベツが入っています。特にかにカマが大量に入っていて具だくさん。見た目にも彩りがあって映えていました。「ペヤング」のかにカマは水を吸って水っぽくなってしまい、他社に比べると正直あまりデキはよくないのですが、たくさん入っているのはそれだけで正義。エビやイカもしっかり入っていて、キャベツ含めてサービス精神旺盛な具だくさんぶりが際立っていました。
ソースの明太子と醤油、そして唐辛子マヨがそれぞれぶん殴り合いながら共鳴する味付け、そしてシーフード系の具だくさんぶりは、他社の同価格帯商品より明らかに食べ応えがありました。2022年のペヤングは、この商品がいきなり大谷選手ばりの先頭打者ホームランをかっ飛ばしたことから始まりました。2022年ペヤングを代表する大きな存在のひとつではないでしょうか。
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