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中国人“コロナ禍薬爆買い”日本だけじゃない! 世界を食い尽くす転売ヤー

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 中国でコロナ禍の規制緩和から約2週間が経過し、感染者が増加の一途を辿っている。中国国内では、急激な患者数の増加に対して、医薬品の供給が追い付いていない状態だ。吉林省在住する中国人男性・A氏は言う。

「中国国内では特に解熱剤がひっ迫している状況だ。なお解熱剤関連の医薬品は病院でも欠品状態。周囲の人々も、海外に住む知人・友人に頼んでどうにか調達しようと苦心している」

 最近では、日本国内の薬局で解熱剤や風邪薬を調達し、中国に住む親族・知人に送る人々の姿が頻繁に報じられるようになった。主に買われているのは大正製薬・ファブロンやエスエス製薬・EVEなど。それら中国人による日本製医薬品の“爆買い”に控えて、特に地方において早めの買い置きを薦めるメディア報道も散見される。

 なお、中国人による薬品の爆買いが起きているのは日本だけではない。隣国・韓国でも同じような現象が起きているようだ。韓国在住のB氏は言う。

「先日、風邪薬を買いに行ったら珍しく店先に売ってなくてとても困った。ニュースで理由を知って、そういうことかと納得した」

 ソウル・明洞のある薬局では今年、通常販売量の3倍以上が販売されているという。売れ筋商品としては、総合風邪薬・COLDAEWONや、アセトアミノフェン、龍角散などが挙げられている。

 一方、同じソウルの他の薬局でも風邪薬と鎮痛剤の販売が目立っており、総合風邪薬であるタイレノール、テラフルなどは品切れ状態が続く。韓国国内では通年の13倍以上も注文量が増えた薬局があるそうで、国内で新型コロナウイルスやインフルエンザなどが流行した際にもありえないような現象となっているようだ。

 医薬品販売量の激増の要因となっているのが「代工」の存在だ。代工とは、海外で品物を大量に購入した後、中国本土に持って行って販売する個人や組織を指す。もともと免税店やブランド売場などで使われていた用語だったが、最近は中国人大量購入者全体を指す言葉として定着した。

 韓国の薬業界関係者が現地メディアに答えたところによれば、「全商品を合わせた1カ月の売り上げが、1日、しかも1品目で達成される薬局もある。意図的な大量購入でなければ説明が難しい」そうだ。家族・知人に送るならまだしも、代工による爆買いが続けば市場の需給もおかしくなる。そのような状態になることに危機感を感じたのか、一部の流通会社は出荷統制を独自に開始した状況だ。

 前出のA氏によれば、「中国国内には、日本や韓国だけでなく、欧州から商品を大量に買い付けてくる代工も増えている」という。報道を見る限り、タイなど近隣の東南アジア諸国でも事情は似通っている。世界中から風邪薬や解熱剤を掃除機のように吸い上げている中国社会。パンデミックがこれからさらに本格化した場合どうなるか。周辺国にとっては、ますます対岸の火事として見過ごせなくなりそうだ。

 

 

与良天悟(芸能ライター)

1984年、千葉県出身のウェブメディア編集者。某カルチャー系メディアで音楽や演劇を中心にインタビューなどを担当するほか、フリーで地元千葉県の企業の記事なども請け負っている。

よらてんご

最終更新:2022/12/27 08:00
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