キンプリ、なにわ、スノ、トラジャ…2022年のジャニーズソング「ベスト」10選
#ジャニーズ #KAT-TUN #トニセン #Travis Japan
第5位:KinKi Kids「Amazing Love」
(10位~6位はこちら)
デビュー曲「硝子の少年」からちょうど25年となった7月、同曲を手がけた山下達郎と久々にタッグを組んでリリースされたシングル。「カモンッ」の声と共に繰り出される朝の情報番組テーマ曲のような爽やかなストリングス、山下達郎を“降臨”させた歌唱、2人で1文字ずつ歌うBメロなど、ほっこりとするような多幸感に満ちた1曲だ。そしてKinKi Kids名義で共作した歌詞は、積み重ねてきた時間に思いを馳せつつも〈ここから始まるよ〉と未来への希望も感じられる仕上がりに。2人にとってもファンにとっても、特別な1曲となったに違いない。なお、カップリングには山下達郎の妻・竹内まりやが手がけた「Midnight Rain」が収録された。
第4位:ジャニーズWEST「しらんけど」
今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」でトップ10入りを果たした「知らんけど」。元々は関西弁だがここ数年で全国に浸透していったワードで、2020年にはTUBEが「知らんけど feat.寿君」、今年5月には=LOVEも「知らんけど」という楽曲をリリースしている。
ジャニーズWESTの「しらんけど」は90年代J-POPを思わせるシンセの音色をフィーチャーしたイントロから、突如として大阪ネタを盛り込んだラップパートに突入する。洗練されたトラックとナンセンスな歌詞のバランスの奇妙さ、幾度となく繰り返される「知らんけど」「知らんのかい」の掛け合いには、思わずクスッと吹き出してしまう。ちなみに直木賞作家・志茂田景樹も自身のブログでこの曲を絶賛している。
シングル曲ではないためか音楽番組での歌唱は少ないが、3月に『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)でフルサイズ披露された際にはその真顔のパフォーマンスぶりがSNSで話題となった。また先日放送された『2022 FNS歌謡祭』第二夜(フジテレビ系)で、久々にテレビでのパフォーマンスが実現している。
この珍曲、作ったのは一体誰なのかという疑問が当然湧くわけだが、作詞作曲編曲で音楽プロデューサー・corin.と共にクレジットされていたのが庄田ゲゲゲという人物だ。庄田はかつてロックバンド・YOUNG PUNCHのドラマー(庄田謙太郎名義)として活動、PENPALSとのスプリット盤をリリースしメジャーデビューを果たすも、2002年の新宿リキッドルーム公演を最後にバンドは解散している(リキッドルームがまだ新宿だった頃と考えると、なかなか時代を感じるものである)。
それから13年もの月日が経った2015年以降、庄田はDTMスクールで作曲とDTMを学び、今ではジャニーズWESTのほかSTU48や超ときめき♡宣伝部などにも楽曲を提供しているのだという。人間いつからでも挑戦できるのだなと思わされるエピソードであり、若手偏重の音楽シーンにおいてこういった再チャレンジはどんどん歓迎すべきだと感じる。またDTMツールの進化により音楽制作の敷居が低くなったことで、このような若手ではないクリエイターが脚光を浴びるチャンスも今後ますます広がっていくのではないだろうか。しらんけど。
第3位:20th Century「水曜日」
ロックバンド・ミツメによる提供曲。ミツメはいわゆるインディーロックに位置づけられるバンドであり、大衆音楽の象徴のようなジャニーズへの楽曲提供を意外に思ったファンも少なからずいたのではないだろうか。「水曜日」は演奏も彼らが行っており、ミツメの楽曲といっても違和感がない仕上がりである。そこにCRE8BOYによるシュールかつコミカルな振付が加わり、それをトニセンの3人が歌うことによって、どう聴いてもミツメなのにバンドだけでは辿り着けない新しい解釈をみた気がした。この曲はCMソングとしても大量オンエアされ、彼らのサウンドが全く「らしさ」を失わないままJ-POPの真ん中で機能していることにも新鮮さを感じた。「水曜日」及び今年のトニセンについては別の記事でも詳しく触れているので、未読の方はそちらも是非。
第2位:Travis Japan「JUST DANCE!」
メンバー全員でのロサンゼルス留学を経て掴み取った、名門キャピトル・レコードからの世界デビュー。記念すべきデビュー曲「JUST DANCE!」はイントロこそブルーノ・マーズ「24k Magic」を思わせるが、80’sをアップデートしたサウンドから連想したのはマイケル・ジャクソンやデュラン・デュランだ。マイケル・ジャクソンと言えばキング・オブ・ポップの異名を持つ世界的スターでありながらジャニー喜多川氏とも親交があり、J-FRIENDSへの楽曲提供まで果たすなどジャニーズとは縁の深い存在だった。またTravis Japanの由来ともなった振付師・ダンサーのトラヴィス・ペイン氏も、マイケル・ジャクソンのステージに幾度となく立った過去がある。そしてデュラン・デュランはかつてキャピトル・レコードに所属していたこともあり、Travis Japanにとってはある意味レーベルの大先輩にあたるバンドだ。そういった彼らを取り巻く様々な文脈や、グローバルポップにおける80’sリバイバルの動きを踏まえつつ、K-POPが世界を席巻する中でジャニーズ、ひいてはJ-POP代表として世界へどう切り込んでいくのか。その回答が「JUST DANCE!」には詰まっている。
第1位:KAT-TUN「Ain’t Seen Nothing Yet」
デビュー15周年イヤーを終えてリリースしたアルバム『Honey』のリード曲。ピアノをフィーチャーしたシックなサウンド、ファルセットの多用やモノクロを基調としたMVから“大人KAT-TUN”を強く印象づける楽曲だ。彼らは世間的には「Real Face」に代表されるロックサウンドのイメージが強いように思うが、しなやかなR&Bサウンドとも非常に相性がよく、「Ain’t Seen Nothing Yet」はそのひとつの到達点のようにも感じる。ジャニーズにも世代交代の波が押し寄せ、若手グループに注目が集まる昨今だが、キャリアを重ねたからこその成熟した表現力でまだまだ新しい世界観を提示できるのだというある種の希望を感じた1曲だった。地上波音楽番組では『音楽の日』(TBS系)でしか披露されておらず、2022年を象徴する楽曲とは言い難いが、ストリーミング配信もされており、もっと多くのリスナーに届いてもよいのでは、という期待を込めて1位に選出した。
以上10曲が、私が選出した年間ベストである。Sexy ZoneやSixTONESなど自分でも当然入るものと思っていたグループが泣く泣くランク外となってしまったが、それだけ2022年が大豊作の1年だったのだろう。2023年も、各グループの更なる充実した音楽活動に期待したいところだ。それでは、大晦日は『ジャニーズカウントダウン 2022-2023』でよいお年を。
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