宇多田ヒカルにSIRUP…音楽プロデューサー エス・ティ・ワイ(sty)の2022おすすめ音楽
サブスク時代に何を聴けばいいのか……と“サブスク迷子”になっている方も多いのでは? そんなあなたにプロの音楽プロデューサーが今おすすめの音楽を紹介。今回はEXILE、三代目J SOUL BROTHERSや少女時代、三浦大知などを手がけるエス・ティ・ワイ(sty)氏にご登場願った。年末年始にじっくり聴いてみてはいかが?
エス・ティ・ワイ(sty)が2022年によく聴いた3曲
■ SIRUP「Superpower」
売れてるミュージシャンが社会に対し声を上げる事がやっと許される時代になったと感じられたのはSIRUPの存在が非常に大きいわけだけど、それまでミュージシャンをただ推せる人形であれと人間扱いすらしてなかった害悪なファンにとっては居心地悪い時代になったのかも。そんな時代を軽やかに泳ぐ彼の音楽性はさらに輝きを増し、特に今年は国内外でのコラボレーションも風通しが良く、過剰な演出を排した武道館ライブはただただエピックな「音楽」ライブだった。セットリストの中でひときわ輝いていたこの曲はサウンド・リリックともに力みすぎず、でもちゃんとコンシャスなバランス。好きだ~
■ RUNG HYANG「嫌いな人」
世界の捉え方は人によって違っていてその多様さは天文学的と思い出させてくれるのはいつだってシンガー・ソングライターの書く唄なのですが、今年はこの曲にやられた。あらゆる事象をジャッジすべきとされる世界で、甘いメロディに乗せて「中庸」とか「中道」みたいな自意識(極端なアティテュードは足元すくわれるよという様な)を宣言するというのはむしろ非常に強い社会的発言と言え、この美しく揺蕩うようなサウンドに(色恋とかではない)歌い手視点から見た世界の物語がこのような形で乗る、というのは時代を反映していると感じる。好きだ~
■ 宇多田ヒカル 「BADモード」
この曲が2022年だった事を忘れそうになっていたよねみんな(1月リリース)。とかく今年のエンタメ業界はポストコロナを掲げながらも、なんかあたかも2019年に戻ろうとするような矛盾を感じさせられる事が多かったわけですが。私達ってもうどこにも戻れないっすよ、不幸や病気や傷や憂鬱な気持ちをずっと持ち続ける事がオプションとして増えるだけで、それを抱いたまま生きてくだけだしそれでいいんですよ別に人間ってそんなものだし、という寄り添いメッセージをなんか吹っ切れたような軽快なサウンドで聞かせるこの曲、いろんな概念を包括していてまじで強い。好きだ~
おすすめのエス・ティ・ワイ(sty)プロデュースワーク
■ ゆっきゅん「YETA」
言葉が溢れて止まらない人から紡ぎ出される文章というのは初速の慣性のインパクトが極めて強く、一見リリカルな辻褄が合っていないように思えてしまう。でもその違和感に目を凝らすとそこに歴然たるプリミティブな感情がぎゅうぎゅうに埋め尽くされていて、そして私は自分の感受性の低さを恥じてしまうのであります。ゆっきゅんはそんな不思議な随筆家。と思いきやビジュアルやサウンドは「どういうこと?」ってなってたりして膝がガクッとなり(私も加担してるわけですが)いい加減にしてってなるわけですが。この世界観にどっぷり浸って頂きたくおすすめします!
エス・ティ・ワイ(sty)
作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。 90年代のR&B, HIP HOPに影響を受け音楽制作を開始。2005年、ソングライターおよび音楽プロデューサーとしてのキャリアをスタートしてすぐに、 EXILEや倖田來未の作詞・作曲・プロデュースを手がけ、一躍新進気鋭の音楽プロデューサーに。少女時代、三浦大知、Crystal Kay、宮野真守、三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEなどのヒット曲を多数プロデュースするかたわら、職業作家としての15年分のノウハウを引っさげて「エス・ティ・ワイ」としてファッショナブルなシンガー・ソングライターとしても活動を開始、そのオルタナティヴでアンニュイな音楽性でさらなるファン層を拡げ続けている。2014年、三代目J SOUL BROTHERS「R.Y.U.S.E.I.」で第56回レコード大賞を受賞(作詞・作曲・プロデュース)。
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