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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 退所に相方が送るエールと思い出

元ホームチーム・与座よしあきのマセキ退所に相方が送るエールと思い出

心が折れかけたときに与座からかけられた言葉

 与座は元々努力家で勉強家である。なので僕とお笑いをやるうえでお笑いへ対する知識が足りないと思ったらしく、猛勉強を始めるのだ。理解力が高く勉強家だったのでメキメキと漫才が上達、元々の愛嬌も加わり僕たちはクラスでもトップの笑いを起こせるようになっていた。余談ではあるが、与座はプロの芸人になった後も勉強すると言い、自分たちの出番が終わった後、客席に回りほかの芸人のネタを見学していた。

 漫才を作るにあたり、コンビ名が必要となる。僕たちは辞書を適当に開き指をさしたところをコンビ名にしようと思い、新百合ヶ丘の本屋さんへ行った。

 さっそく和英辞典を開き、指をさした。指をさしたところにあった記念すべきは名前は「お目文字(おめもじ)」。なんか嫌だった。気を取り直してもう一度挑戦。次に出てきた名前は「沖縄中城湾港構想」。僕が嫌だった。再度挑戦。奇跡的に3度目も「沖縄中城湾構想」。

 これは和英辞典なのがいけないと話し合い、英和辞典に変更。1発目は「スタティックメモリ」。しっくりこない。2つ目は「エフェクティブドーズ」。これは意味合いがあまりにもシビアで使えない。そして次に指さしたのが「ホームチーム」。意味は地元のチームで、真ん中に「・」を入れれば2つに分けられることから、「ホーム・チーム」に決定した。

 名前も決まり下手くそながらも漫才をつくり練習し、そしていよいよ内海好江師匠との初めての授業。ほかの生徒たちはセンターマイクを挟んで自己紹介をし、若干雑談をする程度だったのだが、僕たちは最初の授業から漫才を披露。そんな僕たちに好江師匠がくれた一言が

「もうこのネタで、本番でいいんじゃない。貴方たちはプロになりなさい」

と。めちゃくちゃ嬉しかった。そしてその後はとんとん拍子に進み、僕の想定通りマセキ芸能社にスカウトされ所属することになった。

 スタントマンになりたかった与座はもしかしたら戸惑っていたかもしれないが、とりあえずプロの芸人としてホーム・チームが発進したのだ。

 ホーム・チームは当時には珍しく”漫才”も”コント”もやるコンビだった。元々は漫才しかしていなかったのだが、ある時与座から「ホーム・チームの未来を考えたときにコントも出来るようになっておいた方が良い」と提案され、そこからコントをやるようになった。

 しかしコントを始めた頃はお客さんにもホーム・チームイコール漫才というイメージが強く、何をやってもまったくウケない状況が続き、僕はとうとう心が折れかけてしまい、与座に「やっぱり漫才だけにしないか?」とお願いしたのだが、与座は「大丈夫! 続けてれば絶対認められるから!絶対大丈夫だから!」と諭され、無我夢中でコントをやり続け、結果的にどちらも認められるようになった。

 あの時与座が諭してくれたおかげでホーム・チームの可能性は広がり、その後の仕事に繋がったのだ。与座の判断力や先を見て信じる力は本当に凄い。

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