有吉がまさか!? 元芸人が感じる「紅白出場記事」への違和感
#有吉弘行 #檜山豊
僕がコラムを書くときに一番苦労するのは何を書くか考える「題材探し」だ。題材さえ決まってしまえばあっという間に書き終えるのだが、その題材を見つけるまでに結構時間がかかってしまう。
僕の題材を探す方法はいくつかあって、「M-1グランプリ」や「キングオブコント」などお笑い界で行われる一大イベントなどは題材になりやすい。あとはお笑いについて昔から思っていることだ。
例えば「いじめといじりは違う」とか「笑いを起こすには音量が大事」とか。ある程度自分の中でインパクトがある出来事や思い出などを呼び起こし書く。これはコンスタントに出る題材ではないので、数が少ない。
最も頻繁に題材探しとして行うのは「ネットニュースを見る」だ。ニュースというのは常に更新されていくので、題材の宝庫。しかし難しいのは、ニュースは比較的暗い話題が多いということだ。僕は出来るだけ明るい話題を題材としてコラムを書きたいと心掛けているのだが、ニュースにおける明るい話題は割合として少なく、さらに明るいニュースは広がりにくい。なのでどうしても「問題提起」や「事件・事故」などを扱うことが多くなってしまう。
今回もいつものごとく「題材探し」をしていたのだが、こんなタイトルの記事が目に飛び込んできた。
「NHK紅白にダチョウ倶楽部、有吉弘行が出演「白い雲のように」披露 上島竜兵さんが紡いだ縁」(日刊スポーツ・2022年12月17日5時15分配信記事)
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202212160000975.html
とても良いニュースだが、僕の頭に浮かんできた言葉は「あの有吉さんに限ってまさか?」だった。早速ニュースを読んでみたところ、有吉さんが大晦日に行われる「第73回NHK紅白歌合戦」にて”スーパー銭湯アイドル”の異名をもつ「純烈」さんの応援ゲストとして、ダチョウ倶楽部さんと共に出演し、1996年に大ヒットしたご自身の名曲「白い雲のように」を披露するとのこと。
なぜ出演する流れになったのかというと、ダチョウ倶楽部のリーダー肥後さんが発信した「純烈のオーディション受けます」というメッセージをきっかけにダチョウさんと純烈さんの交流が始まり、「純烈(温泉)ダチョウ」というユニットを結成。今年8月にユニットとして出演した「ライブ・エール」(NHK)では「白い雲のように」を披露し話題を呼び、今回純烈さんが紅白出場するということで、ダチョウ倶楽部さん、そして有吉さんの出演が決定したようだ。
内容はさておき僕が「まさか」と思ったのは、有吉さんが紅白歌合戦に出演することではなく、記事のタイトルにある「天国の上島竜兵さんへ『白い雲のように』届ける」の部分だ。
てっきり有吉さん自身がその想いを発信したと思ってしまい、信じられなかったのだ。僕も芸人時代に何度か共演させて頂いたが、特に個人的な親交があったわけではないので、あくまでも憶測というか感覚なのだが、有吉さんは芸人界きっての恥ずかしがり屋なイメージがある。なので自身のそういった感情をメディアへさらけ出すとは思えない。もちろん考えや意見は言うと思うが、エモーショナルな部分は言わないはず。他界した上島さんへ歌を届けるなど言うはずがないと思ってしまった。
ただ、口には出さないだけで、上島さんへのそういった思いが紅白への出演を決めさせたのは、間違いない。でもそれ以上に、肥後さんへの感謝の思いが強いのではないだろうか?今回の紅白への出演はダチョウ倶楽部さんだけでも話題にはなるが、有吉さんが参加すればより一層、話題として取り上げられる確率は高く、それこそがお世話になってきたダチョウ倶楽部と肥後さんへの恩返しなのだ。
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