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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > アントニオ猪木特集、まだ語り足らない

『アメトーーク!』だからこそのアントニオ猪木特集! 彼の死がまだ信じられない【1万3千字レビュー】

猪木が死んだなんて、まだ信じられない

 1998年4月4日、猪木は東京ドームで現役を引退した。集まった観衆は7万人(超満員札止め)。芸能コンサートや他ジャンルのスポーツイベントも含め、二度と破られないであろう観客動員数だ。引退試合の相手は、ドン・フライ。UFCの歴代チャンピオンが集結し、オールスターで行われたトーナメント戦「Ultimate Ultimate 1996」を制した猛者である。

 この日の猪木の動きは、引退試合にもかかわらずキレキレ! 驚くほどハードヒットな延髄斬りを決め、わずか4分という短時間の中で極めたグラウンド・コブラツイストにより、フライを仕留めてみせた。

 猪木が亡くなったなんて、今も信じられない。映像で見たり、思い出したりする猪木は、ずっと元気なのだ。そして、今回は語り足りなかった。カール・ゴッチについても、ビル・ロビンソン戦についても、弟子である藤波、長州、前田らとの闘いも、政治家としての顔も、滝沢秀明戦についても、どれもこれも語りたかった。『ワープロ』流に例えるとすれば、「残念ながらこのへんで、蔵前国技館からお別れします」といったところだろうか。

 逆に言えば、猪木の特集を1時間にまとめた『アメトーーク!』スタッフに「ご苦労さま」と伝えたい。アントニオ猪木のカッコ良い部分も、ズンドコな部分も、どちらもあって今回の放送は良かった。AmazonプライムやYouTubeといった媒体で有田もプロレス番組を配信しているが、『アメトーーク!』のように試合映像があると、さすがに面白さは増した印象だ。そして、出てくる話の一つひとつが我々の記憶にちゃんと残っているのが、猪木の特集ならではだった。やはり、猪木は不世出のプロレスラーだ。

 おそらく来年2月、引退を迎える武藤敬司をテーマにやはり『アメトーーク!』は特集を組むと思う。今回のように充実した内容を、そのときも期待したい。

 

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2022/12/21 11:00
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