『M-1 2022』さや香、ロコディ、男性ブランコが掴みかけたNSC大阪ワンツースリー
#関西バラエティ番組事件簿 #田辺ユウキ #タブーなきM-1 2022批評 #特集
裏物語の主人公・カベポスターの名言「え、人生なんやと思ってんの?」
幻となった「NSC大阪校ワンツースリー」の一方で、今大会の“裏物語”の主人公になったのが、NSC大阪校36校の永見大吾、浜田順平によるカベポスターだ。筆者は大爆笑した。
その場で出番順が決まる笑神籤(えみくじ)でトップバッターを引き当てられ、待機室から声をあげてステージへ向かう浜田。視聴者側も気合が入ったのではないか。しかもトップバッターで披露したのが「大声選手権で1番手の人が優勝する」というネタだったのは、まさに奇跡。いまのカベポスターとして最高のパフォーマンスだと感じられた。高得点を期待したが、意外と点数が伸びなかった。
特に、審査に対して賛否があつまっている山田邦子が「84点」をつけたとき、目を疑った。山田は「可愛らしいネタ。私としては高得点」と言って笑ったとき、カベポスターが彼女の“犠牲”になったように見えてしまった。各ニュースサイトなどでは山田の審査について議論が交わされ「結果的に点数はまとまっている」「山田邦子の点数を抜いても順位にほとんど違いはない」とされているが、それでもそのあとの真空ジェシカと11点もの差がつくほどだったかというと、疑問を持たざるを得ない。ただ、これが「審査員にすべてを託す」ということでもある。
松本人志はカベポスターの点数表示でまごついた。そこで「焦っちゃって5点マイナスにした」と冗談を口にしたときの、永見の「え、人生なんやと思ってんの?」という返しは今大会のハイライト。山田の「84点」にモヤモヤしていた視聴者らの気持ちも乗った、『M-1』史にのこる名言ではないだろうか。
男性ブランコ、さや香、ロングコートダディ、カベポスターの活躍は、近年のよしもと漫才劇場での、公演の充実度が実を結んだのではないか。平日、休日、昼夜問わずいつ行っても公演を観ることができるスケジュール。そこで若手芸人たちは場数を踏み、力を身につけていく。よしもと勢が2年連続で『M-1』王者を逃すのは初めてのことだというが、間違いなく層の厚みは増している。
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