『First Love 初恋』年月をかけて撮影されたNetflixドラマならではの美しさ
#宇多田ヒカル #Netflix #宮下かな子
『First Love 初恋』で分かる!不便さが生み出すドラマ
目的や条件を入力して効率良く相手を見つけられるアプリだったり、大きな機械を持たなくてもスマホから手軽に音楽が聴けたり、レンタルショップに行かずとも配信で映画が観られたり。面倒な過程が省かれ、便利になった世の中。過去と現在を行き来するストーリーの中で、ここ数十年での時代の大きな変化を感じたのだが、なんだか心動く瞬間が、不便や面倒くささの中に多くあったんじゃないかな、なんて思ってしまう。
加えて、歳を重ねて理想像が膨らんだり、背負うものが増えていく中で、選択肢を自分自身で狭めたり、変化を伴うリスキーな選択には踏み切れなかったりするもの。安定したい。安心したい。失いたくない……恋も、仕事も夢も、人生の選択全てに当てはまることだと思う。それは責任や、プライドや、守るものがあるからで、きっとそれが大人になることなのだろうと思うけれど。
そんな便利な時代でも、いくつになっても、本能的に細胞が沸き立つような感覚には敏感でいたいな。心の動きは省かずにいたいな。時代はこれからも進化していくと思うけれど、〝初恋の人〟とか〝イヤホンを分け合って聴いた思い出の曲〟とか。大切な思い出はしっかり心に留めて、〝どんな選択も、人生のかけがえのない1ピース〟そう胸を張って言える選択をしていきたいと、勇気ある選択に踏み出す2人をみてそう思った。
作中、偶然再会したり、人を介して繋がったり、そういう奇跡のような瞬間が何度もあるけれど、これを、私はドラマのフィクションの世界だけではないと思っている。出会いは必然、全ての出来事に意味がある。今年、そう思える出来事や出会いが私にとって沢山あった。沢山悩んで選択をした私を、優しく後押ししてくれた作品でした。あぁ~年の終わりに素敵な作品が観れた~!今回のイラスト、お気に入りです。
それでは皆さま良いお年を~!
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