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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 『THE W』ファイナリスト同じ問題

『THE W』自由度の高さの割にファイナリストが似通ってる問題

「M-1」も準々決勝進出したスパイクは演技力十分

 6組目は決勝戦初登場、大阪から来た本場の女性漫才師「爛々」。

 一見すると漫才なのだが、これは漫才の形をしたコントではないだろうか。セリフもアドリブ感が少なく、設定されているキャラクターを少し誇張したようなセリフ回しとテンションで流れていく。

 お二人のキャラクターがしっかりしていて、芸人としてバランスも良くとても魅力的なので、誇張したセリフ回しやテンションにしてしまうと、どうしても笑いが過剰になりウケにくくなる。もっと自然体で漫才しても十分成立するので、ボケを詰め込むのではなく、ネタを精査、分析し笑いが起こる部分だけを残して、微妙なところは全て排除するくらいがちょうどいい。何でもやり過ぎは良くないというお手本のような漫才だった。

 7組目は決勝戦常連組の演技はコント師「スパイク」。

「M-1グランプリ」にも参加し準々決勝まで進出するような、器用なコンビ。紹介通り演技力は抜群。ボケの小川さんのキャラクターに特化した演技力に目がいきがちだが、実はツッコミの松浦さんの演技が本当に上手い。ツッコミだけではなく、普通っぽい喋り方も、声色の変え方も、間の取り方も絶妙。

 お二人の演技力は本当に良かったが、ネタの設定がどこかで誰かがやっていたようなベタなもので、どれだけ展開をオリジナルのものにしても既視感が拭えない。せっかくの演技力を活かすためにも、設定自体にオリジナリティを出す必要がある。さらにボケもありきたりなものではなく、わかりやすすぎないインパクトのあるボケを選択したほうがいい。わけがわからなくても松浦さんなら何とか出来るはず。今のままで松浦さんの良さは十分見えるので、今後は小川さんの良さを出すネタを作るべき。

 8組目は決勝戦初登場、1人コントで挑む「フタリシズカ かりこる」。

 普段は男女コンビで活動しているようだが、ひとりでも決勝戦へ来るということはかなりの実力者だろう。ネタが始まってすぐに感じたのは、その滑稽な見た目とは裏腹に、喋り方、セリフ回しは良い意味で普通。期待感が高まった。

 しかしネタはボケのほとんどが収録された声であり、それに合わせて喋っているフリをするようなものだったので、自由度が低く、台本頼みで人間性で笑わせるようなものでは無かったので、かりこるさんの良さが出ているようには見えなかった。

 ネタ自体もとても真面目なネタで、想像を越えていくものでは無かったので単独ライブでやるネタの1本という印象を受けた。男女コンビでやっているときのネタを存じ上げないので普段のスタイルはわからないが、このネタはかりこるさんの面白さを説明するに至らないネタではないだろうか。もっと彼女自身で笑いを起こすようなネタを見てみたい。

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