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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 『THE W』ファイナリスト同じ問題

『THE W』自由度の高さの割にファイナリストが似通ってる問題

覇者「天才ピアニスト」の成功と失敗

 3組目は全国放送ではネタ初披露という超新星ピン芸人「さとなかほがらか」。

 全国放送初ということもあり、手の震えなどから緊張感が伝わってきた。ほのぼの暴走ガールという紹介とは違い、とてもまとまっているネタに見えたが、ネタの主軸となる歌部分の演技を、あえて無機質にやっているせいで声が聞き取りづらくなってしまい、肝心な笑い所が伝わり切らなかったように思う。

 さらに歌のメロディや言っている内容がそこまで展開しなかったので、お客さん的にも慣れてしまい後半、笑いが少なくなった感じがした。歌以外の部分で展開をつけようとしてボケを盛り込んでいたが、出来れば歌部分のメロディや展開にもこだわった方がネタに幅が出来るので最後まで盛り上がれたのではないだろうか。ネタがこじんまりとしていたので、多少収拾がつかなくなろうが暴走ガールならではの暴走を今後見てみたい。

 4組目、Aブロック最後は。全大会準優勝の実力派女性芸人「Aマッソ」。

 漫才はスピード感がある比較的ベタなしゃべくり漫才で、コントはシュールな世界観があるコントをするイメージ、そしてその両方を高次元でこなすことが出来るコンビという印象。今回は漫才ではなく、得意とするシュールなコントを披露した。

 僕はAマッソさんの漫才のほうが好きなので、コントに対して少し捻くれた見方をしてしまっているのかもしれないが、今回はその設定こそ非日常なものだったが、ボケ自体は比較的ベタなものが多かった。漫才のようなやり取りが多々あったのだが、漫才ほどのスピード感は無かったので、どうしても後半になるにつれて失速してしまっているように感じた。

 コントだからなのかセリフをハッキリと滑舌よく言い過ぎてしまい、ボケがあざとく見えてしまったのも、失速した要因のひとつかもしれない。もしこのようなシュールなコントをやるのなら、漫才とは全く違うツッコミの仕方や演技の仕方を身につけて差別化を図るべき。

 5組目、Bブロック最初のコンビは今大会の覇者「天才ピアニスト」。

 昨年に続いて2度目の決勝進出し、勢いそのままに一気に優勝した。ファーストステージはいつも通り、年配女性をボケとしたコント。昨年と比べるとツッコミの竹内さんのツッコミバリエーションがかなり増えているように思えた。

 ボケのますみさんは憑依型なので本当に、そういうおばさんがいてボケているように見えるところが凄い。ただ今回のネタは展開を出すために男性の声のSEを入れた辺りで一気に、空気が変わり笑いづらくなった。良い流れの場合、展開はスムーズにしないと、ネタにリセットがかかってしまう。

 ファイナルステージは他人ではなく親子という関係性になり、ファーストステージよりツッコミやすくなってはいるのだが、設定が、お母さんが現実逃避して理想の家族をVRで見るというものなので、セリフ回しや会話が暗いもの中心になってしまい全体的に笑いが起きづらくなっていた。

 後半は少しずつ盛り上がり笑いが起きたものの、設定の枠からはみ出すことはなく、こじんまりとした大人しいネタになってしまったのではないだろうか。設定はもっとベタで良いから、天才ピアニストさんにしかできないパワフルな掛け合いコントが見たかった。

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