山田邦子「唯一天下をとった女ピン芸人」の「M-1」審査員に向かう批判
#M-1グランプリ #馬鹿よ貴方は 新道竜巳
今年の「M-1グランプリ2022」では特に、審査員に注目が集まっています。それは上沼恵美子さん、オール巨人師匠が審査員を引退して「今年は誰になるのか?」という問題が浮上していたからです。結果としては新たに、博多華丸大吉さん、山田邦子さんが受けることが発表されましたね。
博多華丸大吉さんは、「THE MANZAI2014」で優勝をされ、その後2016年と2017年に「M-1グランプリ」の審査員をやったので、そこまで違和感がないと感じた人も多かったでしょう。
むしろ、ひとつの注目となったのは山田さんの選出でしょう。世代によっては、山田さんがそもそも誰なのかいまいちわかっていない、もしくは「なんか『水曜日のダウンタウン』(TBS)にちょっと出ていた人」程度の認識しかないかもしれません。
山田さんは過去、女芸人さんの中で一番売れていた人でもあり、自身の冠番組も多数あったレジェンドなのです。「唯一、天下をとった女ピン芸人」と言われています。
伝説の番組『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)のレギュラーが決まった当時はまだ、20歳過ぎで事務所にも入っていませんでした。売れている最中に太田プロダクションに入る、かなり異質な存在でした。本来、タレントは事務所に入ってから売れるものというイメージを逆転させた人でもあるんです。
ただ1大ブームの後はいろいろあって活動も縮小し、2019年に太田プロを退所されてからはYouTubeでの活動が主だったものだっただけに今回、大抜擢感は拭えないところはあります。
そんな山田さんなので今回、上沼恵美子さんのポジションになるという印象を受けている人は多くいるんじゃないでしょうか? 前回は審査員の中で松本人志さんの先輩にあたるのは、上沼恵美子さん、オール巨人師匠だけでした。それが今回は、山田さんのみになります。
ただし、松本人志さんは1963年9月8日産まれの59歳。そして山田さんは1960年6月13日の62歳で、3歳しか離れていません。世間のイメージでは山田さんは『ひょうきん族』に出ていたのでかなり、先輩のように感じるかもしれませんが意外と年齢は近いんです。デビューも松本さんが1982年デビューなのに対して、山田さんは1981年なので1年先輩でしかありません。
それを踏まえると、今回の「M-1グランプリ」決勝の審査員抜擢は、適切な判断でもあると思えます。「M-1グランプリ」は注目されているコンテンツなだけに、伝わりづらい発言や、無責任と取られてしまう発言があると、すぐに炎上してしまいます。
過去に審査員をやっている上沼さんが「ミキ大好き」と言った事で「贔屓だ」「審査員として失格だ」などと言われ続けて現在にも至っていることも忘れてはいけません。
そもそも好きになって何が悪いのか、その思いは、審査員全員にあると思います。正直に伝えたのに勘違いされて、炎上案件となってしまったんですね。上沼さんは全力で審査をした中でミキに高得点を付け、バラエティ番組としてそう発言をしたのに、「見る目がない」などと言われてしまう……。
また、オール巨人師匠は事前にちゃんと決勝戦出場者のネタをみて予習してきているのに、少し世間とズレているような発言をしたら「見る目がない」「もう引退した方がいい」とネットで必要以上に書かれてしまいます。
人間なのだから自分の評価が世間とズレていると感じる事が皆無な人間がそもそもいないのに、まったく許そうとしないお笑いファンの間違った熱が、審査員の立場とメンタルをドンドン破壊していっているのではないのでしょうか。
そして初めて「M-1グランプリ」の審査員をする山田さんにその刃が向かなければいいなと思うのと、向いても気にしないで審査してほしいと思うばかりです。
「水ダウ山田邦子ホントドッキリ」怒涛の再生数! ボロクソ言われるメリット
放送作家の深田憲作です。 「企画倉庫」というサイトを運営している私が「あの企画はどこが面白いのか?」を分析し、「面白さの正体」を突き止めるための勉強の場としてこの連載...サイゾー人気記事ランキングすべて見る
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