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有吉弘行の名も? M-1グランプリ、深刻な「松本人志の後継者」問題

有吉弘行の名も? M-1グランプリ、深刻な「松本人志の後継者」問題の画像1
有吉弘行(Getty Images)

 漫才日本一決定戦として毎年大いに盛り上がる『M-1グランプリ』(12月18日放送、テレビ朝日系)。2022年大会での大きな変化といえば、審査員だ。前年大会で勇退したオール巨人と上沼恵美子に代わり、博多大吉と山田邦子が審査員を務めることになった。

 THE MANZAI の優勝経験もあり、2016年大会と2017年大会でM-1グランプリの審査員を務めている大吉については、関係者の間でも“順当な人選”との見方が強いが、“意外な人選”だったのが山田邦子だ。

「邦子さんは、90年代前半にテレビ界で天下を取った、いわばレジェンドではありますが、最近はテレビ界というよりは、寄席に出演したり、YouTubeをやったりなど、地道が活動が多い。上沼さんの後を継ぐ“女性芸人枠”の審査員としては、現役漫才師であるハイヒールや海原やすよともこのなかから選出されるのではないかとも囁かれていたので、邦子さんはちょっと驚きです」(テレビ局関係者)

 しかし、山田邦子が審査員でなければならない理由もあったという。

「M-1といえば、松本人志さんが審査員をしていることが重要なのは間違いないのですが、松本さんは決して審査員”長”ではなく、そのほかの審査員と同じ立場というスタンス。だから、松本さんとしては、自分よりも先輩の審査員がいてほしいという思いが強いんです。

 今までなら、巨人師匠と上沼さんがいたので、松本さんも納得して審査員を務めていましたが、2人が抜けると“一番先輩になるのは嫌だ”ということで、松本さんが降りてしまう可能性があった。だから、松本さんよりも先輩である山田邦子さんに白羽の矢が立ったという噂があります」(お笑い事務所関係者)

 とはいえ、山田邦子も今後何十年も審査員を続けられるわけでもないのでは。M-1審査員のなかで、松本人志がいちばんの先輩となるのは時間の問題。つまり、松本がM-1審査員を退く日はそう遠くないという見方もできる。

「松本さんが審査員をやめると、M-1の存在価値がかなり薄まってしまうという懸念があるわけです。いまM-1は本当に盛り上がる大会になっていて、若手芸人にとっても重要なモチベーション。吉本興業としてもテレビ朝日としても絶対に失いたくないコンテンツでしょうし、お笑い界全体のことを考えても、存続させたほうがいい。

 となると、やっぱり“松本さんがいなくなった後”のこともちゃんと考えておかなければならないんです。つまり、若手芸人たちが“この人に評価されたい”と思うような人材に審査をしてもらわなければならない」(同)

 “ポスト松本人志”となるカリスマの登場が待たれているということだ。では、その有力な候補はいるのだろうか。

「正直、松本さんよりも後輩で、同じくらいのカリスマ性を持っている芸人はなかなかいません。吉本の序列であれば、今田耕司、東野幸治、ナインティナインあたりが続くわけですが、いずれもネタのイメージはない。かといって、現在審査員を務めているメンバーは、ネタには定評はありますが、そこまでカリスマ性があるわけではない。本当に難しい問題です」(同)

 一部では、有吉弘行待望論もあるという。

「有吉さんは、ネタのイメージはあまりないのですが、カリスマ性という意味ではなかなか強力ですし、『有吉の壁』(日本テレビ系)で若手芸人たちとからんでいるしで、審査員には向いているのではないかと言われています。ただ、オファーされても有吉さん本人が受けるとは思えないんですよね……。

 そうなると結局、吉本の芸人にポスト松本人志になってもらうしかない。たとえば、千鳥やかまいたちが今以上に売れて、ダウンタウンクラスになれば彼らが担えばいいと思いますが、いずれにしても、ポスト松本人志問題は本当に深刻です」(同)

 次なるカリスマが登場するのが先か、松本人志が審査員勇退を決断するのが先か──。お笑い界は近い将来、重大な岐路に立たされる。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2022/12/16 04:25
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