ツートライブがめちゃくちゃ惜しい! 元芸人が準々決勝敗退の全ネタ一言レビュー
#M-1グランプリ #檜山豊
シシガシラ、ネタは十分。漫才技術の向上とキャラ作りでさらに上へ
71組目『軍艦』
NSC現役生でありながら「M-1グランプリ2021」の準々決勝へ進出したコンビ。雰囲気はとても面白そうで、やり取りもテンポもとても上手なのだが、ボケの内容がこじんまりとしており、基本的なボケが、ストーリーの無い小手先の笑いとなっていた。出来ればもう少し、想像力を持たなくても笑えるようなボケが大ボケとしてあると、漫才としてのクオリティが上がる気がする。
72組目『パンプキンポテトフライ』
こういうツッコミで笑いと起こすネタはどうしても、ボケのインパクトが薄れてしまう。しかもパンプキンポテトフライはツッコミの谷さんのほうがキャラクターも強いのでより、ボケの山名さんの印象がなくなる。売れそうなコンビなので衣装や喋り方などの工夫をして、今のうちにコンビ間の格差を無くした方が良い。
73組目『セルライトスパ』
設定は抜群に面白く、そしてボケのシステムもかなり面白い。ただおふたりがツッコミとボケに対してどっちつかずになっているので、セリフがブレてしまう。もっとツッコミに寄ったセリフ、ボケに寄ったセリフで今の台本を修正したほうが、ネタの完成度が上がる。後半笑いが少なくなったのは、ツッコミとボケが逆転してしまったからではないだろうか。ネタ作りの甘さが垣間見えた。
74組目『コマンダンテ』
とてもコマンダンテらしいネタといったところなのだが、このおふたりのキャラクターは、のちのバラエティ番組でどのように展開されるのかがあまり想像出来ない。ネタ番組で良く見かけるので、今後のバラエティ進出を狙っているなら今の淡々としたネタの要所要所に、バラエティ番組で使えそうなキャラを入れるべきだ。
75組目『インテイク』
東京の王道しゃべくり漫才と言う感じのネタで、芸歴の割にはすごく完成度の高い漫才に見えた。ネタがスタートしてすぐの鈴木さんは、大声が出せない設定なのかと思ったが後半普通に声が出ていたので、前半もそこまで声を小さくする必要はない。ツッコミのまえかずさんはどこかで見たようなツッコミなので、最優先で個性を見つけたほうが良い。
76組目『シシガシラ』
ネタの構成がとにかく良い。人の感情の変化も面白い。ただいかんせん漫才としての技術的な部分や、演技力が乏しいせいでネタが予定調和に見えてしまい漫才の鮮度が落ちてしまう。ネタ作りはもう出来ると思うので、漫才の基礎の練習と、漫才に合ったキャラづくりを徹底すれば間違いなく上にいける。
77組目『オフローズ』
面白いと思うものを詰め込んでいる感じで、掴みとネタの入りと展開がバラバラな印象。ネタの展開を見る限りベタな笑いを取れるトリオなので、わざわざシュールな入りにする必要性はないように思う。さらに万人受けしそうなネタなのに題材が人を選ぶので、もっとポップな題材のほうが合っている気がする。そこまで個性がある外見ではないので、敢えて同じ服にせず衣装から個性を出した方が覚えやすい。
78組目『にぼしいわし』
「女芸人No1決定戦THE W 2022」のファイナリスト。強引なボケとツッコミで笑いを起こすような力技の漫才なのだが、いまいち笑いに繋がらない感じ。おそらくツッコミフレーズの語呂の悪さとボケの稚拙さが原因。パワー系の漫才をするならもっと強引で訳が分からないボケにして、聞き心地の良い文字数で突っ込んだほうが良い。もしかしたらキャラクター設定が若干、ずれている可能性もあり。
79組目『コロコロチキチキペッパーズ』
もしこのネタを無名のコンビがやったら、準々決勝まで上がって来られたのだろうか。もちろん間の取り方やキャラクターの活かし方、漫才の盛り上げ方などはとても上手で、経験値の高さを感じられたのだが、純粋にネタだけを見たときに正直クオリティは低いように思えた。楽しみにしていただけに少し、残念に思う。
80組目『三遊間』
おふたりの芸歴は存じ上げなかったのだが、登場してすぐの緊張感は見ている側まで伝わってきた。基本的にはあるあるネタでつっこんで笑いを取るネタなので、ボケもツッコミも一人でこなしてしまい、2人でやっている意味はあまり感じられなかった。1人がボケツッコミをするならもう1人はリアクターやさらに強いツッコミをしたほうが漫才らしくなるはず。
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