ツートライブがめちゃくちゃ惜しい! 元芸人が準々決勝敗退の全ネタ一言レビュー
#M-1グランプリ #檜山豊
豪快キャプテン、独創的なのになぜか面白い、分析しきれない漫才
51組目『カラタチ』
かなり偏ったネタだが、その偏りが受け入れやすくとても笑える。各々のキャラも活かされており、カラタチにしか出来ないネタと言っても過言ではない。ただネタは面白いのだが、瞬時にわかる面白さでは無いので、今の見た目をほんの少し誇張し、視覚から攻めてネタに誘導していくのはアリだ。
52組目『オドるキネマ』
とにかくツッコミの鈴木さんの芝居が上手い。その芝居だけでも見る価値がある。ボケの南さんも芝居は上手いのだが、出来るキャラが限られているので、似合わないキャラは演じないほうが無難だ。その選択がまだちゃんと出来ていないので、それが出来るようになればキャラの幅は狭まるが、ボケの幅は広がると思う。
53組目『ダブルアート』
漫才としてはとても上手だが、ボケの種類がいくつか存在しており、ダブルアートさんに似合っているモノから、漫才と言えば的なベタなものまで詰め込んでいるので、ベタなボケはなくても良い気がする。自分たちの匂いを薄めない為にも似合っているボケだけに統一すべき。さらに見た目の強化も必要。今のままでは、素人感が払拭できない。
54組目『どんちっち』
ネタの前半はスカした感じの漫才かと思いきや、後半になるにつれてどんどん面白くなっていくというとても理想的な形。このネタ以外に応用できるかわからないが単発のネタとしてはかなり完成度が高い。前半に小さめで良いので盛り上がりと、オチがしっかりしていればもっと上まで行けるはず。
55組目『ゆにばーす』
ボケのはらさんのセリフの95%がボケになっており、ここまでボケを連続して出されると、さすがに笑ってしまう。ゆにばーす特有の薄っすら下ネタが含まれたネタになっているので、その時点で好き嫌いが生じてしまうのが勿体ない。下ネタ風に聞こえる健全なネタであればより、多くの笑いを生みだすのではないだろうか。
56組目『デルマパンゲ』
グルメレポートがしたいという定番中の定番ネタだったが、ボケはとても独創的で、自分たちのキャラクターにマッチしているものが多く、とても面白かった。しかし笑いには直接つながらない、無駄なセリフがいくつかあったのが残念。お客さんのテンションがリセットされないように、常に違うボケを繰り出したほうが良い。
57組目『東京ホテイソン』
今回のネタは設定が複雑すぎて、説明だけで相当時間がかかっていた。ボケ自体はお客さんの想像を裏切る形だったので笑いが起きていたが、システム的に笑いが単発で起きるものだったので、笑いが起きていない時間が多々あり、盛り上がりに欠けるネタになってしまった。笑いが途切れないネタのほうがコンテストでは有利である。
58組目『とらふぐ』
外国人の設定だったので終始英語で喋っていたが、お客さんはその英語を頭の中で解読しようとしてしまうので、こういう形のネタはお客さんが集中しづらく笑いが起こりにくい。とらふぐさんの従来の漫才の形を存じ上げないので、このネタに限ったことになってしまうが、やはり漫才は何も考えずに笑えるものが強い気がする。
59組目『豪快キャプテン』
普通の漫才に見えるが、相当不思議な漫才をしている。何が面白いかわからないが笑ってしまうし、同じようなことをひたすらやっているのだが飽きずに最後まで見ることが出来た。高等なテクニックを使っているようにも見えないし、いたって普通のことをしているように見えるのだが、明らかに普通の漫才ではない。分析しきれない漫才に久しぶりに巡り合った。
60組目『鶴亀』
キャラクターは良さそうなのだが、ネタでそのキャラクターは生かされていないのが勿体ない。さらにボケとボケの間が長く、笑いが起きていない時間が多かった。そしてボケ自体もひとつのボケを繰り返すのでお客さんが慣れてしまい、後半笑いが少なかったように思う。このようにひとつのボケを信頼しすぎると、ハマらなかったときに地獄と化す。違うネタが見てみたい。
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