トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > 準々決勝敗退の全ネタ一言レビュー
今年もM-1決勝前におさらい

ツートライブがめちゃくちゃ惜しい! 元芸人が準々決勝敗退の全ネタ一言レビュー

ツートライブがめちゃくちゃ惜しい! 元芸人が準々決勝敗退の全ネタ一言レビューの画像1
M-1グランプリ2022 公式サイトより

 過去最多となる7261組がエントリーした「M-1グランプリ2022」。11月30日に決勝進出者が発表された。今回の決勝進出者は過去に、何かしらのファイナルステージへ進出したメンバーが多く、実力者が集まっている感があり、今までの大会に輪をかけて、より拮抗した勝負になること間違いなしだ。

 さてこのように勝ち上がったコンビがいるということは、もちろん惜しくも敗退してしまったコンビもいるということである。なので今回のコラムは、前年度も行った「準々決勝で惜しくも敗退した全コンビのネタを一言レビューしてみた」をやっていく。

 一言レビューと言っても、かなり組数が多く、長めのコラムになってしまうので早速取り掛かろう。最後までお付き合いいただけると嬉しい。ちなみにレビューの順番は五十音順ではないので、若干読みづらくなる可能性はあるが、そこは何卒ご了承ください。さらに前回も見たコンビかもしれないが、僕の記憶力は壊滅的に悪いので、初見のようなレビューを書くかもしれないがその部分もご了承ください。それでは始めよう。

1組目『素敵じゃないか』
ボケがフリになってしまいボケ自体で笑いが起きないネタなので、ツッコミの吉野さんの印象しか残らないのが勿体ない。ボケの柏木さんを客観視し、キャラに合ったボケでこのネタが出来れば、さらに良いネタになりそう。

2組目『怪奇!YesどんぐりRPG』
言わずと知れたピン芸人ユニットだが、慣れてきているのか正直なところピン芸人が3人集まった意味が無かったように見えた。ギャグじゃないにしろ、もっと3人の個性を打ち出し、メリーゴーランドのように色が違うボケとツッコミがグルグル入れ替わるようなネタが見たかった。

3組目『マルセイユ』
面白い。2人の見た目とキャラクター性も合致しており、さらにツッコミとボケの両方をお互いこなせるのもとても器用だった。勿体ないと思った点は、ボケの別府さんの動きが少し雑だった。別府さんはもっと丁寧に動いたほうがキャラに合っており、振り付けレベルでネタを作ったほうが笑いが倍増するはず。

4組目『キンボシ』
見た目や喋りの雰囲気はとても良いのだが、ボケがネタのメインストーリーとは関係のないところでばかり発生しており、小手先で笑いを取るような印象を受けた。ボケのシステムや着眼点は良いので、題材スタートでネタを作るのではなく、ボケメインでネタを構成した方がスムーズに流れる。あくまでも憶測だが。

5組目『モンスターエンジン』
「ごめん、まだ出れんねん」という自虐ネタからスタートしたように、確かに「まだ出られるんだ」と思うほど、若手の頃からメジャーなコンビ。最初の掴みから次の笑いが起きるまで少し長かったので、お客さんのテンションが下がったように見えた。どうしてもブラックなネタになるので、設定自体がもっとポップでブラックになり切らなければ、もっと笑いやすかったかもしれない。

6組目『天才ピアニスト』
「女芸人No1決定戦THE W 2022」で優勝したコンビ。キャラクターもしっかりしていてツッコミもボケもテクニックがあり、コンビとしての色もあるのだが、今回のネタは既視感のあるボケが多い気がした。しっかりしているコンビなので、ベタすぎるボケを排除してオリジナリティ溢れるボケだけにしたほうがもっと、上にいけるのではないだろうか。

7組目『チェリー大作戦』
とてつもないセンス。ネタの中にいろいろなジャンルのボケが組み込まれており、飽きさせずに最後までお客さんを楽しませていた。2人のキャラクターもあるので一概に“こうしたほうがいい”とは言えないのだが、ツッコミの宗安さんのテンションと声量をもう少し上でスタート出来たら、さらに笑いやすい環境になるはずだ。

8組目『ダブルヒガシ』
見た目は若そうに見えたのだが、ネタの発想とボケのやり方はすこし古い感じがした。調べてみると2人ともまだ若い。せっかくならその年齢にふさわしいネタを見て見たかった。おっさんを利用するネタはもっと、おっさんになってからでも十分できる。若いネタは若いうちしか出来ないのだ。

9組目『カナメストーン』
漫才というより「漫才」というタイトルのコントを見ているようだった。ネタをすごく練習してきたのはわかるが、セリフの意味を考えずに喋っているので、セリフ自体が流れてしまい、お客さんに伝わっていない部分が多かった気がする。もう少し素で話している部分があるとより、漫才に見えるかも。

10組目『大自然』
大自然らしい漫才コントだったが、ネタのテンポが一定で後半になるにつれお客さんが慣れてしまい、大きく盛り上がることが出来なかった。キャラに合わないので難しいかもしれないが、後半のテンポを上げる方法を見つけた方が良い気がする。さらに冒頭の掴みがテレビ用のボケと音量になっていたので客前でやっているという意識をしたほうが良い。

 

11組目『阿佐ヶ谷姉妹』
知名度もあり、ネタの安定感もあるので笑いは起きていたのだが、緊張からかネタの前半、ボケとツッコミが噛み合わず空回りしているような印象を受けた。ネタの題材もあまりお客さんが喰いつくような設定では無かったので、そこにツッコミを入れてお客さんとの溝を埋める必要があったかもしれない。

12組目『鬼としみちゃむ』
ネタに勢いがあり、ボケのシステムもオリジナリティがあってとても面白かった。お二人のキャラもボケやツッコミに生きていて、ネタ自体の完成度も高かった気がする。ただ、ツッコミのしみちゃむさんの表情が、わかりづらい。顔は困って見えるのだが声は笑っているように聞こえるので、表情も声も困るに統一したほうがボケの鬼沢さんとのバランスはとても良くなる。

13組目『紅しょうが』
こちらも「女芸人No1決定戦THE W 2022」のファイナリスト。ボケの熊元さんはとてもパワーがありキャラクターもたっていて、存在だけでも面白い。そしてツッコミの稲田さんも関西ツッコミならではの心地よさがあり、素晴らしい。ただ稲田さんが思わず笑ってしまう「誘い笑い」というテクニックを使っているのだが、使いどころがズレていて、笑いの誘発剤としてはあまり威力を発揮していないのが惜しい。

14組目『サツキ』
昔から良く使われる手法で、ボケが宗教家のような言い回しでボケていくというもの。「棟田はそこにいる」というボケを主軸としてボケるので、後半は少し展開が読めてしまった。舞台上の立ち振る舞いや表情に素人感が出ているので、客観的に研究するのは必須。

15組目『タチマチ』
ボケの安達さんが何とも言えない面白そうな雰囲気を持っていて、見ているだけで惹きこまれた。ただ狙ったボケ自体はとても弱く、雰囲気負けしてしまっていて残念。ツッコミの胡内さんは大阪の若手ツッコミ芸人のベースといった感じで、個性がまだないように見えた。なので外さないボケを探し、ツッコミのキャラを確立させるのが、今の課題かもしれない。

16組目『ランジャタイ』
前年度のM-1グランプリファイナリスト。良くも悪くもランジャタイはランジャタイのままで思わず笑ってしまった。一番驚いたのはツッコミの伊藤さんが上手くなっていたことだ。舞台上の落ち着きも含めてランジャタイが、この1年間修羅場をくぐっていたことが伺えた。

17組目『深海魚』
準々決勝まで唯一勝ち上がったアマチュア兄妹コンビ。アマチュアということで確かに、演技力や演出、間の取り方、ボケツッコミのワードなど、まだまだ改善の余地はありそうだが、何よりお二人のキャラクターが愛されそうな感じがある。さらなる成長を期待してしまうコンビである。

18組目『たくろう』
見た目、喋り方、ボケのシステム、雰囲気、ワードセンスどれを取ってみても独特で、すごく魅力的な2人。派手な見た目のきむらさんより何故か、赤木さんのほうが印象に残るので、きむらさんは自己プロデュースを強化するともっとバランスが良くなる。逆に赤木さんの見た目があまりにも印象が無いので、もう少し華を出す努力を。

19組目『納言』
ツッコミの安部さんが以前より素人感が出ており、ツッコミのテンポもフレーズもこだわりが感じられなかった。ネタはキャラを活かしているというより、キャラを知らないと笑えないボケが中心だったので、ハマらないお客さんを途中から喰いつかせるのは難しかったように思う。メジャーなコンビだけに、自然とハードルが上がっていたのかもしれない。

20組目『生ファラオ』
ネタの後半になるにつれて盛り上がり、笑いが膨らんでいくのは素晴らしいのだが、設定がかなりベタだということもあり、笑いが起こるまでに相当時間がかかってしまった。自己紹介も含めて笑いが起きづらいシステムなのでもっと早く一つ目の笑いを起こせるような工夫が必要。

12345678
ページ上部へ戻る

配給映画