ツートライブがめちゃくちゃ惜しい! 元芸人が準々決勝敗退の全ネタ一言レビュー
#M-1グランプリ #檜山豊
さすらいラビー、文句無しでおもしろいコンビ来年への期待
21組目『祇園』
ネタの主軸は新しいものなのだが、漫才のシステムが昔から関西の漫才師さんがよくやるような、声を合わせて2人同時にボケを言う形なので、目新しさは感じなかった。実力はあると思うので、この古き良きシステムにもうひと手間加えた、祇園のオリジナリティあふれるネタを見てみたい。
22組目『ヘンダーソン』
面白い。とてもわかりやすいネタで、お客さんも予測しやすいものなのだが、その予測を軽々と越えて笑いを起こす。とてもワードセンスがあり、間も抜群。ただ見た目とネタの入りがベタな関西の若手漫才師に見えてしまうので、特長的な何かを探すことが、ヘンダーソンの最重要課題かと思われる。
23組目『見取り図』
言わずと知れた漫才コンビ。ネタは面白かったのだが会場の雰囲気に飲まれたのか、はたまたあまり慣れていないネタだったのか、ところどころセリフを噛んでしまっていた。見取り図がどういう思いで大会に参加したかはわからないが、さすがに何としてもこれで売れるんだという気概は見えなかったので、その辺りが敗因かもしれない。
24組目『井下好井』
ネタの入りがあまりうまくいかず、お客さんが笑うタイミングを失ってしまった。「課金しなければ文句を言うな」を一貫するネタだったので、途中で違う話に変わることもなく、取り残されたお客さんは取り残されたままになってしまった。終始大声で叫ぶネタだったが、キャラクターに合っているとは思えなかった。
25組目『アイロンヘッド』
登場してすぐの挨拶と、ネタに入ってからのキャラクターが若干違っているのが少し気になってしまった。ネタに入ってからのキャラクターが面白いので、漫才中にスイッチを入れるのではなく、終始スイッチを入れておくくらいがちょうどいい。固定の登場挨拶があると楽に出来るはず。
26組目『エバース』
一言でいうと惜しいコンビ。見た目を含めたキャラクターも喋り方も立ち姿もネタのセリフもなんか惜しい。素と芝居の中間くらいで漫才をしているので全部が中途半端に見えてしまう。2人の雰囲気を見る限り、思い切って芝居側に全振りした方が間違いなくもっと面白くなる。
27組目『さすらいラビー』
文句なしで面白い。漫才の立ち振る舞いがとても上手で、一見しただけで実力者なのがわかった。2人の凸凹具合もコンビとして抜群だし、ツッコミもボケも各々のキャラに合っており、展開もセリフも悪い所が見当たらない。このクオリティがコンスタントに作れるのなら、ファイナリストになる日もそう遠くない。
28組目『忘れる。』
おふたりのキャラクターは良いのだが、ネタがツッコミショーになっているわりには最初から全力でつっこんでしまい、セリフが聞き取りづらくなっていた。ボケの鶴山さんは、使いようによってはもっと面白くなりそうなので、ツッコミショーではなくボケショーにしたほうが合っている感じがする。
29組目『オッパショ石』
ネタの台本に凄まじいこだわりを感じる反面、喋り方や動きなどの見せ方へのこだわりはあまり感じられなかったので、自分たちを客観視して見せ方を研究したほうが良い。ちなみにこういう両ボケ両ツッコミのネタをするなら、見た目のバランスも整えたほうが良いので、蒲谷さんも広田さんのように格好のこだわりが必要。
30組目『大仰天』
ネタの題材はとてもベタなものだが、ネタの展開、ポップさなどはとても見やすいものだった。2人とも個性が強めでコンビとしてのバランスはとても良い。ツッコミの田口さんの、思わず笑ってしまう部分がお客さんのタイミングとズレていたので、お客さんの笑い声を聞いてから合わせにいくのもあり。笑わなくても成立するのでタイミングが合わないなら笑わなくても良い。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事