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『M-1』新審査員に山田邦子と博多大吉! お笑い賞レース“格差”とテレビ業界の本当の評価

『M-1』新審査員に山田邦子と博多大吉! お笑い賞レース格差とテレビ業界の本当の評価の画像1
山田邦子博多大吉(所属事務所公式サイトより)

 漫才日本一を決める『M-1グランプリ2022』(テレビ朝日系、12月18日放送)の審査員に、山田邦子と博多大吉が新しく加わることが発表された。昨年まで審査員だった上沼恵美子とオール巨人は“引退”をし、新体制で行われることになる。

 お笑い界が隆盛を極める昨今、『M-1』をはじめとして、さまざまな賞レースが各局で開催されている。『M-1』はテレビ朝日系(2001年~)、ピン芸人No.1を決める『R-1』はフジテレビ系(02年~)、日本一のコント師を決める『キングオブコント』はTBS系と(08年~)、女芸人No.1決定戦『THE W』は日本テレビ系(17年~)と各局で賞レースが放送される図式が完成しているのだ。

 12月10日には『THE W 2022』が放送され、天才ピアニストが優勝を果たしたが、盛り上がりはイマイチだった。

「そもそも、女性芸人だけで賞レースをするというのが時代錯誤でしょう。日テレとしては、お笑い界への影響力で他局に負けるわけにはいかないと『THE W』を立ち上げたのでしょうが、テレビ関係者の間でも開催意義は疑問視されている。過去の優勝者も、3時のヒロインがブレイクした例はありますが、前年優勝のオダウエダは鳴かず飛ばずだし、すでにブレイクしていたゆりやんレトリィバァと阿佐ヶ谷姉妹は同番組のおかげで人気が出たわけではありません。放送局の日テレ以外は、『THE W』の優勝者を積極的に番組に呼びたいというプロデューサーも少なく、寂しい現状です」(民放関係者)

 一方、実際のところは『R-1』も同じような境遇にさらされているという。

「『THE W』と同じく、歴代の優勝者の中でいまも大活躍している芸人が少なすぎる。生き残って最前線で活躍しているのは、博多華丸とハリウッドザコシショウくらい。粗品や野田クリスタルなど、そもそもコンビで実績がある芸人が優勝したこともあり、『R-1』の権威も一気に下がりました。前年優勝者のお見送り芸人しんいちはビジュアルの良さもあり、テレビ出演は多かったですが、最近ではネタを披露させてもらえずスベり芸で番組に出ることが多くなっている。事務所の先輩芸人の永野から、面白くないとイジられるのが定番化して、芸人として特段評価はされていない」(同上)

 優勝をしたところで、その後の大ブレイクが約束されているわけではない『R-1』と『THE W』。しかし、『M-1』と『キングオブコント』に関しては、やはり別次元とのことだ。

「『M-1』と『キングオブコント』は、多くのテレビ関係者が優勝コンビやトリオに注目しています。それぞれの大会で優勝が決まった瞬間に、各局のプロデューサーが担当マネージャーに一斉に電話をかけることで知られています。1カ月間はスケジュールの取り合いになるのは、今も昔も変わらないですね」(民放関係者)

 賞レース間でも差が出てしまっている中で、やはり今年一番の注目を集めるのは『M-1グランプリ2022』だ。

「山田邦子さんと博多大吉さんが参加し、審査員の顔ぶれに新鮮さも加味された。18日の放送に出演するファイナリストたちも、ロングコートダディやキュウ、真空ジェシカなどバラエティーに富んだクセものコンビが揃いました。なかでも勢いを感じるのはヨネダ2000です。女性コンビとしてはハリセンボン以来、13年ぶりの決勝進出となり、キャラも強いのでテレビ関係者の多くが優勝してほしいコンビとして名を挙げている。ヨネダ2000は先日の『THE W』にも出場し、決勝ラウンドで惜しくも敗退しましたが、やっぱりブレイクに必須なのは『M-1』のほうの結果なんです」(民放関係者)

『M-1』と『THE W』は毎年冬の開催時期もカブっているが、そろそろ『THE W』においてはテコ入れも必要かもしれない。

小林真一(フリーライター)

テレビ局勤務を経て、フリーライターに。過去の仕事から、ジャニーズやアイドルの裏側に精通している。

こばやししんいち

最終更新:2022/12/12 13:00
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