秋葉復興相、寺田総務相に続くか フライデー&文春の硬派スクープと週刊誌の今
#週刊誌スクープ大賞
ジャニーズ帝国の行く末と亡きカリスマの「少年愛」報道
さて、ついに文春は、ジャニー喜多川の少年性虐待問題を持ち出してきた。
「逸材を見抜く感性は凄い。たとえば、オーディションにやってきた嵐の二宮和也くんは、リュックを背負った猫背の冴えない少年で、周囲は落選するだろうと思っていた。それがジャニーさんの目に留まるや、国民的アイドルになったのですから」(芸能プロ関係者)
彼の審美眼はどこから来ているのだろう? フォーリーブス、たのきんトリオ、SMAPと手品のように国民的なアイドルを生み出す『異能』は、彼の「少年愛」にあったと文春は指摘する。
嵐がアイドルグループとして羽ばたいた、今から23年前の1999年10月から、文春は「芸能界のモンスター」連続追及を始め、14週にわたってジャニー喜多川の“行為”を、元ジャニーズ事務所にいた元アイドルたちの多くから聞き出し、大きな話題になった。
初回のタイトルは、「TVも新聞も絶対報じない 青山孝(元フォーリーブス)衝撃の告発 芸能界のモンスター『ジャニーズ事務所』の非道」(10/28日号)
その中で文春は、
「学校に通えないスケジュールを課すなど子供たちを預かる教育的配慮に欠ける」「少年たちと契約を交わさないため、その結果、少年たちに給与面での待遇差など不利益が生じている」
と指摘し、中でも深刻なのが、ジャニー喜多川による少年への性的虐待だと追及したのである。
「誘い文句は『ユー、今日ウチに来る?』。そして少年たちを寝泊まりさせていた自宅やコンサート時の滞在先ホテルで、性的な行為を繰り返していた。
当時、十名以上の元ジュニアたちが被害を打ち明けた。
〈マッサージは筋肉がほぐれて本当にうまい。でも、パジャマを脱がすと、すぐに口です。いつも歯が当たって、痛いんですよ〉(九九年十一月十一日号)」(文春)
この行為は青少年健全育成条例や刑法の強制わいせつ罪に抵触する可能性もあったと文春は書いている。
だが、ジャニーズ事務所はすぐに動いた。1999年11月に、文藝春秋に対して名誉棄損の損害賠償(計1億700万円)を求めて提訴したのである。
審理では、ジャニー喜多川や記事で証言した少年2人が出廷したのである。
姉のメリー喜多川を知る芸能関係者はこう語っている。
「メリーさんはジャニーさんを引責辞任させることも考えた。経営の舵取りをしているのはメリーさんだし、ジャニーさんは現場の演出に専念すればいいと。でも、メリーさんは『やっぱり弟を見殺しにはできない』と、翻意した」
法廷でジャニー喜多川は、こう証言している。
「彼たち(出廷して証言した少年たち=筆者注)はうその証言をしたということを、僕は明確にはいい難いです。はっきりいって」
そして、2003年7月に高裁判決が出た。判決文ではこう論じられている。
〈原告喜多川が(中略)セクハラ行為をしているとの記述については、いわゆる真実性の抗弁が認められ、かつ、公共の利害に関する事実に係るものである〉
その後、ジャニー喜多川側は最高裁に上告したが、2004年2月に上告が棄却された。高裁判決が確定したのである。
文春は、今また過去のジャニー喜多川の件を持ち出したのは、
「稀代のカリスマから性的嗜好の標的にされた少年たちが、それを拒絶できなかった理由にある。スターを夢見た幼い彼らは『コンサートでの立ち位置が中央から追いやられる』ことや『グループとしてデビューできなくなる』ことを恐れたのだ。
これは男性アイドル産業によって会社を築き上げた、ジャニーズの根幹に関わるテーマなのである」
ジャニー喜多川の少年愛嗜好なくして、ジャニーズのアイドルたちが生れ出てくることはなかった。だが、その異能の人も、その姉もいなくなってしまった。
ジャニーズという芸能プロは、この先どう生きていくのだろう。
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