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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 有吉の黙食リポに垣間見た“らしさ”

『有吉クイズ』ゴールデン昇格に垣間見た有吉弘行の生き方、“らしさ”と黙食

『有吉クイズ』ゴールデン昇格、有吉弘行の黙食リポはせめてものらしさか?の画像1
有吉弘行(Getty Images)

 11月22日放送『有吉クイズ2時間SP』(テレビ朝日系)にて行われたのは、「有吉とメシ 博多ハシゴ旅」。博多華丸に“福岡の美味いメシ”をオススメしてもらい、有吉が実際に食べ、それらは本当においしいのかを確認するというのが今回の趣旨である。

 この番組がゴールデン枠に昇格すると、純粋なグルメ番組になるのでは? ……という危惧があったが、正直、そうなってしまった。深夜帯の頃のように、ボンテージ写真撮影や脂肪腫摘出手術にチャレンジしたり、蜘蛛の素揚げや豚の脳みそを食べる有吉に期待したいところだが、この時間帯となると難しいのだろう。とはいえ、それでも見てしまうあたりが有吉の冠番組の強さとも言えるが。

「本当は食リポなんていらないのでは?」という問題定義

 華丸が勧める店がおいしくないわけがない……という謎の信頼感が、彼にはある。でも、それは本当なのだろうか? 福岡にいるときだけ寺門ジモン化する華丸。

 午前9時50分の福岡。有吉がまず最初に向かった華丸オススメの店は、「元祖ラーメン 長浜家」であった。まさに、あさイチだ。

 ここは、あっさり系とんこつラーメンを売りにするお店。早朝から、いきなりのとんこつラーメンだ。「あっさり系とんこつなんてあり得ます?」と有吉は疑問を呈したが、実は、博多のラーメンは総じてあっさり系だったりする。

 このお店のメニューは、1杯500円のラーメンのみ。有吉はネギ大盛りのトッピングをオーダーしたが、これでも500円だ。東京だったら「九条ネギラーメン」として余裕で800円はとられそうな見た目だが、やっぱり500円。

 見るからにおいしそうである。いわゆる、「こういうのでいいんだよ」系のラーメンというか。これがテーブルに運ばれてくるや、いきなりコショウと紅生姜を投入した有吉。「一口食べる前にいろいろかけすぎでは?」とも思ったが、ズズッとすすった彼の顔は満足げだ。

 「有吉とメシ」シリーズでの有吉は、一貫している。しゃべらないのだ。ずっと、黙々とラーメンをすする有吉。なのに、視聴者に「このラーメンを食べてみたい!」という気を起こさせるミラクル。事実、芸能人のスキルとして「食リポ」は頻繁に挙がるが、決して誰しもできる技じゃない。いや、本音を言うと、ほとんどの食リポはたいして素晴らしくない。「ならば、本当は食リポなんていらないのでは?」という問題定義を、この番組は突きつけている。

 もっと言えば、見ている視聴者に余韻が残るのは有吉の食リポのほうだろう。有吉の食べ姿は、『孤独のグルメ』(テレビ東京系)の井之頭五郎に近いし、食べ終わった後の「あ~」という一息は永谷園のお茶漬けのCMみたいだ。

 そんなこんなで、ラーメンを完食した有吉。やはり、彼は無言ノルマを達成した。この時代に合っているとも言える、黙食である。

 店を出た有吉は、コメントを発した。

「思ってたやつと全然違いました、さっぱりしてました、本当に。なんで、こんなにこってりしてないんでしょうね。すごいさっぱりしてて、本当にスーッといけますね」

「薄いっていうのは違いますね。しっかり出汁も出ているし、味もするんですけど、ギトギトした感じはまったくないっていう。ギトギトもいいんですけど、朝にはここはいいですよよねえ」(有吉)

 食べた後でこんなに語るのなら、素直に食レポすればいいのに……とも思うが、それはまた別ものなのだろう。

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