立川志らく×桂宮治の、売れたことによる稽古量減少の打開策がすばらしい
#立川志らく #馬鹿よ貴方は新道竜巳
11月20日に放送された『立川志らくの演芸図鑑』(NHK)のトークコーナーで、立川志らくさんと桂宮治さんが、芸人にとって非常に興味深い会話をされていました。
多くの芸人は、“ネタを頑張って売れる”という目標を持っています。ただそれが、もし売れると今度は、ネタをやる時間が極端に減ってしまいます。練習量、ネタ作り、舞台数……人にもよりますが、テレビで売れ過ぎてしまうと、ネタをやる機会を失ってしまうことがほとんど。メディア制作や出演に対する拘束時間が増えていき、芸に対してどうしても不安になってしまう芸人さんもいます。番組では、多くの芸人がかかえるその問題への考え方を述べておられ、これが目からうろこだったのでご紹介しましょう。
立川「でも忙しくて稽古量が減っちゃうでしょ」
桂「そこなんですよ。稽古もそうだし、いろんな情報もそうなんですけど、インプットする時間がなさすぎて。出す、出す、出す、で干物みたいに……。こんな太っているから見えないでしょうけど本当に、今の自分はなにやっているんだろう。ただグルグルテレビ局回っているだけの、よく喋るおじさんになっちゃってて、ここはちょっときついっすね」
立川「同世代のテレビに出ていないライバルが、家で5~6時間稽古して自分は30分しかできない。すると凄い差がつくような気がするんだけど、それを埋めるのは恐らく皆が見てない世界を見ているって事です」
桂「うーん……」
立川「この人たちは家で10時間、あなたはうちで1時間しか稽古ができない、でもこの人達では絶対に見る事の出来ないステージを、あなたは見てるの今は。落語って、テクニックだけじゃなくて、結局は人生を語っている。それは桂伸治師匠の大師匠の先代の桂文治師匠もそうだけど、うまい下手なんか関係ない。その存在、人生を語っているから、どんな落語でも楽しく聞ける。そりゃ、柳家小さん師匠もそうだし、うちの立川談志もそうだし、皆テクニックを聞きに来ているわけじゃないから。そのステージを見てきた人だから」
桂「そうか。そうですよね。売れてらっしゃるトップランカーのあの師匠方を見ていると、なにを喋るかってのは勿論大事なんですけど、誰が言うかっていう……」
立川「そうなんです」
桂「本当にその人の人間力って言うか、こんなこと言ったら怒られるかもですけど、春風亭昇太師匠、そんなにテクニックないですもんね」
立川「そんなにじゃなくて全然ないんだよ(笑)。滑舌も悪いしね」
桂「そうなんですよね。でも、面白いんですよね。あの人の人間力って言うか、なんでNHKさんであんなお世話になっている方の悪口言っているのか……悪口じゃないです凄い事を言ってるんです」
立川「凄いんですテクニックよりも……」
桂「超越した」
立川「そう、魅力なんです。この世界は」
確かに何を言うかの芸人よりも誰がいうかで活躍している芸人のほうが色気を感じます。絶対にこのセリフは○○さんが言っている方が面白いだろうなと思ったら、そのジャンルでもう勝てないと白旗を振ってしまうところはあるかもしれません。
最後に芸人を確実に楽しんでいる方の意見を残しておきます。
立川「落語家の修行が一番厳しいと思っている馬鹿な若い奴が一杯いるんですよ。世の中の方がどれだけ厳しいか、世間の方がどれだけ大変か」
桂「いや、あのあんまりばらしちゃいけないんですけど、一般で働いてる方々の方が大変だと思います」
立川「私も絶対そう思う」
芸人の素晴らしさが少しでも伝わればなによりです。
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