『ブラックアダム』ドウェイン・ジョンソン待望のアメコミヒーローにDCEUの運命も懸かってる理由
#映画 #マーベル #バフィー吉川
『マン・オブ・スティール』(2013)や『ジャスティス・リーグ』(17)、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(21)に続く「DCエクステンデッド・ユニバース」の最新映画、『ブラックアダム』が12月2日より公開される。
『シャザム!』(19)にも登場した養兄弟、義姉妹たちで結成されたヒーローチームを主人公とする本作。1945年からスタートしたスピンオフコミック「MARVEL FAMILY」の第1巻から登場する古株のキャラクターであり、今作の企画は『シャザム!』のスピンオフとしてそのままリンクした作品になる予定であった。それが、いつの間にか「ブラックアダム」というキャラクターが全面に押し出される格好となったのだ。
これまでにもマーベル作品のキャラクターや「ドック・サヴェジ」の候補など、まるで漫画のような肉体のためにコミック映画の主役候補に浮上しながらも、なかなか実現に至らなかったドウェイン・ジョンソンが、ついにDCコミックスの代表的ヴィラン「ブラックアダム」を演じることになった。
しかし、本作でドウェインが演じるのは、混じりっけのないヴィランではなく、目的のためなら邪魔になるものは全て破壊するダークヒーローとしての側面が強い。その他にも、映画化が期待されていた「ホークマン」や「ドクター・フェイト」といった、DCファンであれば誰もが知るキャラクターが多数登場するも魅力のひとつだ。
ポストクレジットシーンでは、ドウェインが今作よりも先行してカメオ出演を果たした『DC がんばれ!スーパーペット』(22)の対になるようなシーンにも注目してもらいたい。
【ストーリー】
5,000年の眠りから目覚めた破壊神ブラックアダム。過去に息子を奪われた復讐心から、その破壊力を現代の人類へと向ける。立ちはだかるのは、スーパーヒーロー軍団JSA。世界の危機だと招集されたホークマン、ドクター・フェイト、サイクロン、アトム・スマッシャーの4人は、必殺技を繰り出しブラックアダムを捕えようとするが、常識もルールも無用のブラックアダムは、ヒーロー軍団もぶっと飛ばす!果たしてブラックアダムは人類の脅威となるのか、それとも…!?
DCエクステンデッド・ユニバースもリセットの危機
ライバルのマーベルが「Disney+」のドラマシリーズを活用しながら世界観を拡大し続けていることに続くように、親会社であるワーナーメディアの配信プラットフォーム「HBO Max」向けに、オリジナル映画やドラマの展開を多く企画していたDC。
ところが、ほとんど完成していた「バットマン」のスピンオフ配信映画『バットガール』がお蔵入りになってしまったのだ。その他にもKJ・アパ主演で企画が動いていた『ワンダーツインズ』が、制作開始直前でキャンセルになるなど、急すぎる“方向転換”がDC内で起きている。
その理由としては、今年4月にDCの親会社でもあるワーナーがディスカバリーと合併し、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーとなったのだが、そこにCEOとして就任したデヴィッド・ザスラフが、DC作品は映画館で観ることを前提とした作品とするべき、としたからだ。つまり、“質より量”的な考え方に意義を唱えたとも言える。……遠回しに、現在のマーベルが質より量になっていることを問題視しているようでもある。
それによって、『ザターナ』や『ビクセン』『ブルービートル』『ジャスティス・リーグ・ダーク』といった企画の雲行きも怪しくなってきているほか、近年のDC作品を支えてきたDCフィルムズの社長ウォルター・ハマダが今作をもって退任に追い込まれるなど、波乱を呼んでいる。
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