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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 映画  > 新海誠監督の恋愛観とフェチズム

『すずめの戸締まり』で新海誠監督の恋愛観とフェチズムはどう変わったか?

「好き」を刺激されて脳髄まで届く芹澤朋也の魅力

 さらに、今回の『すずめの戸締まり』での新海誠監督は、「男の趣味がいい」「性癖がついに男性に向けられた」などと褒められている。誰からもイケメンと言われる草太は松村北斗の見事な演技もあって女性からの熱烈な支持を得ており、さらに「沼」に落とされている人が多いのが神木隆之介が声を担当している芹澤朋也というキャラクターである。

 丸メガネで目は細くてピアスをしていて、オープンカーに乗っていて見た目は不良なのに、実は教員志望で、口ではなんだかんだ言いつつも友達(草太)思い。選曲センスが(鈴目の叔母の環に合わせたのかもしれないが、それにしても)古くて、さらには目の前の環の涙に驚いてなだめようとするするがソフトクリームを落としてしまったりと、その「ギャップ萌え」にノックアウトされる人が多かったのである。

 筆者は「最初の考え通り女性同士のロードムービーでも良かったのに」と思ってしまったこともあったが、そうしなかったおかげで草太と芹澤朋也という「あっこれはヤバい」と「好き」を刺激されて脳髄まで届くキャラクターが創造できているので、これはもう肯定しまくるしかない。結論としては、時にはちゃんとスタッフの言うことや世間の反応も顧みるが、ちゃんと趣味をキャラクターに入れ込みまくる新海誠監督を「いいぞもっとやれ」と応援したいのだ。

 

 

ヒナタカ(映画ライター)

「ねとらぼ」「cinemas PLUS」「女子SPA!」「All About」などで執筆中の雑食系映画ライター。オールタイムベスト映画は『アイの歌声を聴かせて』。

Twitter:@HinatakaJeF

ひなたか

最終更新:2022/11/26 10:26
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