葉梨前法相更迭と同じ日に「元刑務官」登場、死刑執行に関わる人たちの声「ふとしたときに…」
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再犯率は半数以上、出所の翌日に逮捕されるケースも
ショウゴさんとセイタさんは、この仕事のどこにやりがいを感じていたのだろう?
「更生に向けて変わっていく受刑者に何度か当たったことがあって、その姿が自分の心の支えにはなっていました」(セイタさん)
受刑者が変わっていく様子は、目に見えてわかるという。
「彼らって社会のルールを守れずに生きてきた人が多くて、刑務所の中で『朝起きて、ごはん食べて、作業して、寝る』というサイクルを初めて踏む人が多いんです。そういったサイクルを体に身につけさせ、それが更生につながっていったというのはあると思います」(セイタさん)
『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮社)という本があるが、「朝起きて、昼に働き、夜に寝る」という生活が虐待などで身につかず、刑務所に来て初めて経験した人は少なくないのだろう。海外と比べ、日本の刑務所は規律が厳しいイメージだが、今までまともな生活を送ってこなかった受刑者にとっては更生の近道になるかもしれない……と、ふと思った。
とはいえ、出所した受刑者が10年以内に刑事施設に再入所する割合は45.3%(法務省「令和3年版犯罪白書」より)だ。半数は更生していない。再犯率は高いのだ。
「『先生、お世話になりました。社会で頑張ります!』と言って出ていった人が、翌日、ニュースを見ると窃盗で捕まっていたりとかありますし、更生に関しては多くの刑務官が『なかなか難しい』と考えていると思います」(セイタさん)
出所して翌日に窃盗……は、さすがに刑務官としてもショックだっただろう。所内で規則正しい生活を送っても、出所後に制約がなくなった途端、元に戻るということか? また、映画『ショーシャンクの空に』のように、所内に居場所を持った者が外の世界へ戻るのは、気持ちが追いつかず難しい……という事実もあるかもしれない。経済的に社会で生きていけず、介護施設のような意味合いで刑務所に戻る人だっているだろう。
ただ、逆に言えば、半数以上は更生できたのだから御の字……という考えもある。もう、何が正解かわからなくなってきた。
今回のテーマで30分は短すぎた気がする。だって、前回の「女子刑務所にいた人」は前後編に分けての放送だったし。続編希望!
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