葉梨前法相更迭と同じ日に「元刑務官」登場、死刑執行に関わる人たちの声「ふとしたときに…」
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「死刑執行の練習」は丸太を用意して…
刑事施設には、刑罰が確定した受刑者を収容する「刑務所」の他に、判決が確定していない者や死刑囚を収容する「拘置所」がある。
セイタさんは拘置所に属していたこともあるらしい。つまり、死刑囚を管理した経験を彼は持っているのだ。
「死刑囚も指導していましたし、『近々、死刑が執行されるかもしれない』という情報が入り、死刑執行の練習をしたこともあります。自分はやる前に異動命令が出たので異動したんですが、次の1年以内に執行があったとは聞いています」(セイタさん)
葉梨前法相のニュースがあった日に、なんてタイムリーな話題なのか……。セイタさんの証言で特に気になったのは、「死刑執行の練習」という一言だ。
「日本は絞首刑なので、問題なく実行するために。丸太で60キロぐらいの人型の人形を作って、首のところに縄をかけ、それを使って実際に死刑台から落として。落ちたときに、そのままだと飛び跳ねてしまうんです。それを飛び跳ねさせないよう、落ちたら首の紐を持って上に引っ張る役割の練習をしていました」(セイタさん)
落ちきった瞬間、人はバンジージャンプ直後のようにバウンドしてしまう。だから、首の紐を引っ張る。その感触を想像しただけで、なんとも嫌な気分になる。
ちなみに、死刑の執行ボタンは複数人で押すそうだ。
「3人だったり5人だったり、施設によって変わってくるんですけど。それで、誰が押したのかわからないようにする」(セイタさん)
これは、刑務官が罪悪感に囚われないようにする配慮だ。そういえば、ボタンを押した刑務官には特別手当が出ると聞いたことがある。ただ、そのほとんどは、供養のため、または特殊な職務のストレスを晴らすため、その日中に酒代に消えてしまうらしい。
山里 「セイタさんの周りには、死刑執行に関わった人はいますか?」
セイタ 「拘置所にいた頃に40代の先輩職員がいて、『自分が実際に押した』と。押してしまうと、ふとしたときに『自分が押したボタンが反応したのでは?』と思ってしまうから、『やっぱ、やるもんじゃないよね』とは言われました」
葉梨前法相は「はんこを押すだけの地味な仕事」と口にしたが、現場で働く者はこういう十字架を背負わされるのだ。決して、ボタンを押すだけの簡単な仕事ではない。なんだったら、「葉梨氏ははんこではなく、自分でボタンを押せばいいのでは?」とさえ思ってしまった。
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