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『ねほりんぱほりん』レビュー

葉梨前法相更迭と同じ日に「元刑務官」登場、死刑執行に関わる人たちの声「ふとしたときに…」

葉梨前法相更迭と同じ日に「元刑務官」登場、死刑執行に関わる人たちの声「ふとしたときに…」の画像1
『ねほりんぱほりん』(Eテレ)Twitter(@nhk_nehorin)より

 

 11月11日放送『ねほりんぱほりん』(Eテレ)のテーマは、「元刑務官」であった。同番組は昨年10月に「女子刑務所にいた人」を特集しており、そのときは受刑者目線で刑務所を取り扱っている。今回は、完全なる刑務官目線だ。

「法務大臣は死刑のはんこを押したときだけニュースになる地味な役職だ」と発言した葉梨康弘前法相が更迭されたのも、放送と同じ11月11日だった。この日、このタイミングで「元刑務官」を特集するというめぐり合わせも、神がかっている。

 今回、番組に登場したのは2人の元刑務官。1,000人以上の受刑者がいる刑務所でおよそ15年勤務したショウゴさん(40代)と、複数の刑務所や拘置所で10年以上勤務したセイタさん(30代)の2人。ともに、現在は会社員だ。

 2人は、仕事がキツくて前職を辞めたのだろうか? たまに、街で刑務官募集のポスターを目にするが、たしかに離職率が高そうなイメージはある。

娯楽のない刑務所の中で、タバコや酒を作る受刑者も

 今まで、2人はどんな受刑者と関わってきたのか?

「刑務所を何度も出入りしている累犯、B級と言いまして、10年未満の刑期の人たち。罪名は傷害や暴行、覚醒剤も非常に多いですし、現役の暴力団幹部だったり、日本で薬物を売ってるようなマフィアのボスとかもいました」(ショウゴさん)

 つまり、殺人を除く重犯罪者と関わってきたようだ。っていうか、日本の刑務所にマフィアのボスって! 

山里 「刑務官の方々は、毎日どんな仕事をしているんですか?」

ショウゴ 「大きく分けて2つあるんですね。1つは、受刑者を更生させること。もう1つは、刑務所内の秩序を保つこと」

 受刑者の生活は規律で守られており、起床も食事も作業も入浴もすべてが分刻みだ。そんな1日のなか、受刑者が私語や逃走などをしないか刑務官は監視・監督する。と同時に、刑務官も遅刻をすると処罰の対象になってしまうらしい。はんこを押すだけの簡単な仕事と比べると、随分キツいな……。

YOU 「ドラマや映画を見てると、全員が隠れて何かを尖らせてたり、壁に穴を掘ってたりするけど、実際、穴掘ってる奴はいましたか?」

セイタ 「穴掘ってる人はいなかったんですけど、タバコを作ろうとする受刑者はいました」

 穴を掘る奴はいなかったのか。イメージとして、穴を掘られた人はいそうだけども……。っていうか、脱走は考えないのに、タバコを作ろうとした者はいたのが驚きである。

「畳やバナナの皮を乾燥させたやつを紙で巻いて、燻らせて……っていう」(セイタさん)

 そんなの、タバコになるのか? そもそも、ニコチンが含まれていないし。ただ、バナナの皮から抽出した成分を乾燥させ、吸引すればトリップできるという都市伝説は聞いたことがある。ひょっとしたら、受刑者もその効果を狙ったのかもしれない。

 他にも、刑務所にはさまざまな禁止事項がある。番組内でその一覧が紹介されたが、どれも興味深い。まず、「わいせつ文書作成」が気になった。娯楽がなさすぎて、自分で官能小説を書くのだろうか? 文書作成がダメなのだから、もちろん「同衾(どうきん)」(=1つの夜具に一緒に寝ること。性行為を表すことも多い)も禁止である。あと、「密造酒の禁止」とはなんなのだろう? 余らせたごはんの米粒で酒をつくるのか?

 これらの決まりを違反した受刑者には、懲罰が与えられる。例えば、単独室行きだ。食事やトイレ、就寝時間以外は、個室の中でずっと前を向いて正座させられる。

「懲罰は10日くらいかけます。10日間、1人で『壁を見続けなさい』と」(セイタさん)

 考えただけで、気が狂いそうだ。というか、これは憲法で禁止されている拷問なのでは……。

 そういえば、10月に出所した田代まさしは福島刑務所で5回も懲罰を受けたそうだ。smart FLASHのインタビューで、彼はこう回顧している。

「懲罰房はつらかったですよ。誰とも話せず孤独で、数日でキツくなる」(田代)

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