『ゴチになります!』ゴールデン帯はなぜクイズ番組ばかりなのかが分かる企画力
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『ゴチ』には長続きしやすい条件が揃っている…!
クイズ構造の企画が視聴率を獲りやすい理由はもう1つあります。それは「引っ張りがある」ことです。テレビ番組の会議では視聴率を獲るための手法として「引っ張り」という言葉がよく使われるのですが、これは「視聴者がチャンネルを変えずに番組を見続けてもらうためにどうやって興味を引っ張るか?」という意味です。
「Q:焼肉のハラミは牛の体のどの部分?」という問題を聞いてしまったら、人はその答えを知るまではチャンネルを変えずに見ようと思ってしまうもの。ハラミが牛の体のどの部分かにそれほど興味がなかったとしても、です。その意味で『ゴチ』は料理の実際の値段や出演者の順位発表まで見ようと思ってしまう「引っ張り」があります。
さらに、『ゴチ』には「その時期の旬の芸能人をキャスティングして新陳代謝していける」という良さもあります。『ゴチ』に出演するにあたって、タレントとしてマイナスイメージがつくようなリスクはありませんし、トークが特別に面白い必要もありません。
そのため、芸人だけでなく俳優も積極的にキャスティングすることが出来ます。出演者が飽きられて視聴率が下がっていく、という問題も回避することが出来る企画なわけです。
しかも、その出演者の人気がなくなったから交代、といったネガティブな見え方ではなく、値段予想の成績が悪いことで交代、という企画に沿った出演者の入れ替えが出来ます。そのため、『ゴチ』は常に、時のスターが出演する華のある企画であり続けられるわけです。
このように人間の生理に訴えかけ、国民の多くが楽しめる構造の企画なのですが、番組の運営面から考えても『ゴチ』はよく出来ていると思います。
1つは「ネタ切れしないこと」です。レギュラー番組で大事なのは、続けていけることです。どれだけ面白い企画でも、1回2回しか出来なければレギュラー番組として優秀な企画とは言えません。その意味で『ゴチ』にはネタ切れの心配はありません。さらに、テレビ番組でグルメの企画を実施する際には、お店の仕込みに難航することがよくあります。
企画の条件に沿った飲食店が少なかったり、撮影に協力してくれるお店が少ない場合があるからです。
例えば、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)で、汚いけど美味しい飲食店をロケする『きたなシュラン』という企画がありましたが、汚いお店として取り上げられることに撮影NGを出すお店も少なくなかったはずです。このようにお店やロケ場所の仕込みで難航するとことは、テレビ番組を作るうえではよくぶつかる壁です。
そういった面で、『ゴチ』に撮影協力したくないというお店は少ないはずなので、運営面でも優秀な企画と言えると思います。こうやって色々と分析すると、改めて偉大な企画だと感じます。それでは今日はこの辺で。
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