ジャニーズ帝国崩壊の序章… なぜ綻びは生じたのか
#ジャニーズ #本多圭
ジャニーズ帝国が崩壊に危機に立たされている。
11月4日深夜、ジャニーズの5人組人気アイドルグループ・King & Princeの平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太の3人が、来年5月にグループを脱退。平野と神宮寺はグループ脱退と同時に、岸は来秋に事務所からも退所することが明らかになったが、その直前には、副社長としてジャニーズ事務所を牽引してきたタッキーこと滝沢秀明氏の退所が発表されたばかりで、業界では様々な憶測を呼んでいる。
「ジャニーズ事務所は、“9月中旬に滝沢氏から退任したいとの申し入れがあったので慰留していたが、本人の意思が固く、それを尊重した”と説明していますが、真相は藤島ジュリー景子社長の逆鱗に触れて、一方的に解雇されたようなもの。キンプリは“ジュリー案件”でしたが、脱退・退所を明らかにした3人は滝沢氏を慕っていましたからね。脱退・退社が無関係だというのは無理があるでしょう」(事務所と親交がある元レコード会社役員)
滝沢氏は2018年末にタレントを引退。故ジャニー喜多川氏の意向を受けてジャニーズ事務所の経営陣に迎え入れられると、同社副社長に就任。さらに19年には、ジャニーズJr.を育成する子会社「ジャニーズアイランド」の社長にも就任した。
「滝沢氏は、現役時代『滝沢歌舞伎』の前身となる舞台のプロデュース兼座長を務めていましたが、舞台に自らジャニーズJr.を起用し、後輩の育成に努めてきました。そんな彼の手腕をジャニーさんは高く評価し、自分の後継者と認めていたんです。それがジュリー氏には面白くなかった」(音楽プロデューサー)
「ジャニーズアイランド」の社長に就任した滝沢氏は、20年1月、すでにデビューまでスタンバイ状態だったSixTONESやSnow Manを同時デビューさせると、いきなり初週ミリオンセラーを達成。さらに、10月にはTravis Japanを世界デビューさせ、ジャニーズJr.の世界進出の足がかりを作った。
「それまでジュリー氏は、ジャニーズJr.には見向きもしなかったにもかかわらず、滝沢氏がプロデュースしたグループが売れだすと、グループを『ジャニーズアイランド』からジャニーズ本体の統括下に置いたんです。まさに、母親の故メリー喜多川さんが飯島三智女史からSMAPを横取りしたときと同じです」(音楽ライター)
SMAPのデビューに際し、メリー氏が“この子達は売れない”と、当時、事務所のデスクだった飯島三智女史にマネジメントを任せたというのは業界ではよく知られているが、その後、飯島女史の手腕によってSMAPはブレイク。国民的アイドルグループに成長すると、メリー氏は手柄を横取りするかのように、事務所総出で力を入れるようになったが、これが事務所の後継争いを招いた。
「業界では、後継者はメリーさんの長女である藤島ジュリー景子氏だと見られてきましたが、ジャニーさんが飯島女史のプロデュース力を高く評価していたこともあり、徐々に実力派の飯島女史の名前が浮上してきたのです。実際、事務所内は“ジュリー派”と“飯島派”の2大派閥に分かれていましたが、そんななか、『週刊文春』がメリーさんのロングインタビューに成功したんです」(芸能ライター)
それが、「週刊文春」2015年1月29日号「ジャニーズ女帝メリー喜多川怒りの独白5時間」だ。
「そのインタビューの渦中、“ジャニーズ事務所にはジュリー派と飯島派があるが”という質問にメリーさんが激怒。『ジュリー以外に派閥を作っているという話は耳に入っていません。もし、うちの事務所に派閥があるなら、それは私の管理不足です。事実なら許せないことですし、あなた方にそう思わせたとしたら、飯島(三智)を注意します。今日、(飯島氏を)辞めさせますよ』とまくし立てると、その場に飯島女史を呼び出したのです」(前同)
その後、この記事を発端にSMAPの解散騒動が起きるのだが、ジュリー氏を後継者とするメリー氏の意思に揺るぎはなく、97年、メリー氏は、社長だったジャニー氏への相談もなく、レコード会社「ジャニーズエンタテイメント」を設立。ジュリー氏を社長に就任させると同時に、ジャニーズ事務所の副社長に昇格させ、帝王学を学ばせた。
「その後、19年7月にジャニーさんが他界すると、ジュリー氏が社長に昇格し、世襲を完成させました。メリーさんは名誉会長となって目を光らせていましたが、そんなメリーさんが昨年8月に他界したことで、世襲体制にほころびが出始めているんです」(前出の音楽プロデューサー)
関係者によれば、育成に力を入れていたタッキーとは異なり、ジュリー氏は世襲のツケか、タレントからの信頼が薄いという。
「ジュリー氏は、メリーさんが当初SMAPを無視していたように、ジャニーズJr.には目もくれなかった。それを滝沢氏がプロデュースして次々とブレークさせたのですが、かえってジュリー氏の嫉妬心をエスカレートさせたのではないかと言われています」(前同)
滝沢氏に続き、グループ脱退と事務所退所を明らかにしたキンプリの3人だが、今後は現在の所属タレントたちの動向にも注目が集まる。
「ジュリー氏は人望がありませんからね。今後も退所するタレントが続出しても、おかしくありません」(音楽関係者)
ジャニーズ帝国の崩壊が、いよいよ現実味を帯びてきた。
(文=本多 圭)
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