『ねほりんぱほりん』労働者の手配から覚醒剤の運搬まで 「手配師」は闇キャリアをどう積む?
#NHK #ねほりんぱほりん
報酬と捕まった場合の懲役年数を考慮して「GO」を決める
覚醒剤の受け渡しで用いるのは、キャリーバッグが主である。
「(飛行機に)持ち込みOKのちっちゃいやつがあるじゃないですか? あれ、溝がいっぱいありますけど、内張りを剥いで溝に入ってる発泡ウレタンを取って、あそこの中に(覚醒剤を)きっちり詰めて。で、もう1回閉めて。すると、だいたい1キロぐらい入るんです」(マサヒコさん)
覚醒剤1キロの密輸か……。国によっては死刑になりかねない量である。で、もしも無事に運べたなら、そのときの成功報酬は?
「1回で200~300万円ですね」(マサヒコさん)
いや、リスクを考えると安すぎると思うのだけど……。
山里 「『捕まるかも』って、不安はなかったですか?」
マサヒコ 「もちろん、なきにしもあらずですけど、別に刑務所が嫌だっていうのもないし。ただ、対価と合わないとダメですよね。たとえば、懲役何年打たれるか? そのへんの計算はします。それで、『捕まるかもしれない。過去の判例で、量刑はこのくらいになるよね』、『3年食らうか。でも、3000万円儲かる。学もない俺が年収1千万円。普通に働いても稼げるわけない……GO!』みたいな」
そもそも「刑務所が嫌じゃない」という考えが、常人のそれじゃない。罰を受けるから「やめよう」という考えには至らず、「3年食らっても3000万なら良し」と導き出す思考回路が、理解不可すぎて興味深いのだ。究極の合理主義だし、ぶっ飛んでいるとも言える。報酬と懲役年数の両者をかけ合わせ、勘定して判断するのだ。つまり、彼は刑罰が重い国での“運び”は避けてきたのだろう。この人の地頭の良さは、なんとなく伝わってくる。
山里 「でも、そもそもは違法行為なわけじゃないですか。どういう気持ちでやってらっしゃったんですか?」
マサヒコ 「やっぱ、ワクワク感です(笑)。フフ」
YOU 「最初は、ちょっとドキドキしました?」
マサヒコ 「でも、楽しいですね。根底にあるのは『楽しい』なんですよ。楽しくないと、嫌なんです。僕、本を読むのが好きなんですけど、“ワクワク”とか“ゾクゾク”とか。自分のシナリオ通りにっていうか、『今回はこういう人選でこういうアプローチで』って。それをどっかで“しくる”と、たぶん自分に火の粉がかかる。そこだけは慎重に。でも、楽しみながら」
万引きでスリルを味わいたい中高生と、同じノリなのか? ある種、彼はスリルジャンキーだと思う。こういう人種こそ、悪事は天職なのだろう。
あと、気になったのは、マサヒコさんに罪の意識がないことだ。過去の取り引きを思い出し、“ワクワク”、“ゾクゾク”と言いながら、笑みを抑えきれずにいる。彼が日本に持ち込んだ覚醒剤のせいで、どれだけの人が不幸になったろうか? その事実を無視し、今も“ワクワク”の感情を忘れられずにいる。こんな彼の性分を、“パパ友”タカちゃんは見抜いていたのだろう。
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