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TPの芸人礼賛

『M-1』3回戦敗退も… オダウエダが見せた「大人の事情」ガン無視

『M-1』3回戦敗退も… オダウエダが見せた「大人の事情」ガン無視の画像1
『M-1グランプリ』公式サイトより

 お笑い大好きプロデューサー・たかはし(TP)が見た、芸人たちの“実像”をつづる。今回は、『M-1グランプリ2022』東京3回戦の敗退組のネタ動画に注目。

『M-1グランプリ2022』3回戦のネタ動画が出揃った。ネタ数は圧巻の299本。すべてを観ようとすると約15時間はかかる。僕は当たり前のようにすべてのネタを観たのだが、みなさんはいかがだろうか。忙しくて観る余裕がない人のために前回「3回戦敗退組の中で面白かった人たち(大阪・京都編)」を紹介したのだが、今回は「3回戦敗退組の中で面白かった人たち(東京編)」。気になった芸人のネタはぜひYouTubeやGYAO!でチェックしてほしい。

大阪京都編はこちら↓
 

人間横丁

 昨年の『M-1グランプリ』3回戦で彗星の如く現れた脱力系ほんわか男女コンビ。誰も傷つけることのない平和なネタが特徴。僕も何回か仕事をさせてもらったことがあるのだが、裏も表も同じテンションで、関わる人すべてを人間横丁のペースに巻き込んでしまう恐るべきパワーの持ち主。日本にこんな平和な「横丁」があるなんて驚きだ。

 今年の3回戦のネタは「右手と左手がレースをしたらどっちが勝つか」という、文字にすると意味不明な設定。これが文字通り2人の「手」にかかると、客が人間横丁ワールドに引き込まれ、気づいたら全員大笑いという不思議な空間が生まれる。噂ではその日の1ウケだったかもというくらいのウケだったらしい。ただ本人たちは至って冷静でラジオ『人間横丁のたまのお茶会』(stand.fm)にて「前のほうのお客さんはすごい笑ってくれていたけど、後ろのお客さんがイマイチ笑っていなかった」とマネージャーさんに言われたことを話し、精進するしかないと前を向いていた。いつか決勝の舞台で2人の漫才が見られる日を夢見て頑張ろうと、なぜか僕まで前向きになった。

マタンゴ

 こちらも独特な空気感を纏う男女コンビ。とにかくテンポがゆっくりで、しっかり間を使ってボケるのにどれも外さない大喜利力がスゴい。あんなに溜めてボケる度胸に感服、決勝に行ったらダウンタウン松本さんに「時間が惜しくないのかな?」と言われそう。その分ツッコミで補足を入れるんだけど、それに対しても「何かたくさんしゃべってるけど、私に認められたいの?」と返すのはめちゃくちゃ笑ってしまった。これからも唯一無二なスタイルを貫いてほしい。今回は1つ前の出番のシンクロニシティ(準々決勝進出)が同じ男女コンビで比べられてしまったのかなと思ったり。僕と同じヨセケン(早稲田大学寄席演芸研究会)出身コンビなのでこれからも大応援していきたい。

オダウエダ

『M-1』のメインスポンサーをつとめる「サントリー」と完全に競合となる他社の商品が飲みたいという、大人の事情ガン無視の「勝ち上がる気ないの?」と思われても仕方のないネタを披露。あえての「そういうイジり」なのか、はたまた何も考えてないのかさっぱりわからないけど、ネタの面白さに加えてその根性も込みでめちゃくちゃ笑ってしまった。さすが王者。

たぬきごはん

 数年前まで「お嬢様と執事」というキャラ漫才をしていたと思いきや、昨年は「選挙の立候補者とそれを応援する政治家」という別のキャラで漫才をしていたコンビ。今年はどんなキャラ漫才が見られるのかと思いきや、堀さんがとにかく関西弁でまくし立てる王道のしゃべくり漫才でびっくりした。ネタも細部までかなり精巧に作られていて、たぬきごはんの新たな一面が見られてよかった、もしかしたらこちらが本来の姿なのかもしれないけど。ほりさんは趣味の「紙細工」で個展を開いたり、前述のキャラになりきった演技力抜群の漫才もできたりとにかく多才、単独ライブに行きたくなるコンビ。

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