打ち切り報道『スッキリ』加藤浩次の「号泣謝罪」が日本のインターネット史に与えた影響
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日本テレビ系の朝の情報番組『スッキリ』が2023年3月に終了する予定であると、11月9日配信の「週刊女性PRIME」が報じた。同記事によると、『スッキリ』はたびたびBPOの審議にかけられるなど放送内容に問題があったことや、MCの加藤浩次と前所属事務所である吉本興業との軋轢などに触れ、それらの影響があったことを示唆している。
2006年4月にスタートした『スッキリ』。加藤浩次が情報番組のメインMCを務めるのは、この番組が初めてだった。
「当時は極楽とんぼの“喧嘩芸”のイメージも強かったので、加藤浩次さんをメインMCにするのは暴挙とも言われていました。そこから約17年間も番組が続いているんですから、スゴいことです」(テレビ局関係者)
番組開始から約3カ月後、加藤にとっての大きな転機が訪れる。06年7月に相方である山本圭壱の淫行疑惑が発覚。それを受けて加藤は7月19日の『スッキリ』の冒頭で、号泣しながら謝罪をしたのだ。
この号泣謝罪の動画が、当時まだ日本での知名度が低かったYouTubeにアップされると、ネット上で大きな話題となった。当時を知るネットメディア関係者は、こう話す。
「この時はYouTubeが一般公開されてからまだ1年半くらいで、日本語のインターフェイスも実装されていなかったころ。アンテナの高いネットユーザーはすでにYouTubeを楽しんでいましたが、一般的にはまだまだ知られていませんでした。
そんななかで加藤さんの号泣謝罪がYouTubeにアップされると、一気にバズったんです。この動画をきっかけにYouTubeを知った人はかなり多かったのでは?」
この号泣謝罪動画は、YouTubeの再生ランキングで1位を獲得し、日本だけでなく世界のネットユーザーからも注目されたという。
「当時はまだ、何百万回も再生される動画がなかったころなんですが、加藤さんの同級謝罪動画はたしか300万回以上も再生されていたはず。海外のネットユーザーも、なぜこの動画が1位なのか理解できず、英語でコメントしていたものです」(同)
無論、このYouTubeにアップされた動画は日本テレビ公式ではなく、ユーザーが無断でアップしたもの。結局、この動画は、日本テレビの要請で削除された。
「ただ、削除されたと思ったら、同様の動画が再びアップされるというイタチごっこが繰り返されました。ネットではよく動画や画像などを“消すと増える”などと言われますが、まさにそれの先駆けが、加藤さんの謝罪動画だったとも言えるでしょう」
そして現在、YouTubeは全世界で重要なメディアとなっており、YouTubeを舞台に繰り広げられるビジネスも少なくない。
「日本国内でYouTubeの存在を大きく広めたのは、間違いなく加藤さんの号泣謝罪動画――そういう仮説を立てると、加藤さんがいなかったら、現在のYouTubeのメディアとしての地位もなかったかもしれない。日本のインターネット史を語るうえで絶対に避けられない動画であり、重要な転機だったと思います」(同)
現在、人気YouTuberたちが巨万の富を築けているのも、加藤浩次のおかげというわけか。
YouTubeが重要なディアとして定着する一方で、『スッキリ』は終焉を迎えようとしている。これも、まさに時代の流れということなのだろうか。
田井じゅん(たい・じゅん)
1985年生まれ。神奈川県出身。専門学校在学中より、ミニコミ誌やフリーペーパーなどでライター活動を開始。一般企業への就職を経て、週刊誌の芸能記者に転身。アイドル業界や音楽業界を中心に、その裏側を取材中!
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