「円安」は受験業界にも影響大 留学費用が大幅UPで語学、国際系学部離れの傾向も?
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止まる気配がない、円安。アメリカの中間選挙で共和党が勝てば円安は一段落するという見通しもあるが、年初に1ドル100円台半ばだったレートは現在140円台後半で推移しており、日本中が大きなダメージを受けている。
資源、資材、食糧など円安の影響は多岐にわたるが、ダイレクトに影響を受けているのが留学生たち。円が急落したことで、留学生たちの懐は火の車だ。
「コロナ禍で約2年、留学の動きはパッタリ止まっていましたが、今年度に入ってようやく、留学を希望していた学生たちが動き始めました。しかし問題は留学費用です。どの国のどんな大学に行くかによって費用は大きく異なりますが、アメリカなら最低でも生活費として月1000ドルは必要。しかし、1年足らずで円が3割も安くなって、滞在費が大幅に増し、しかも『とにかく物価が高い』という悲鳴も聞こえてきています。
奨学金をもらっている学生からは、『ドル建てでほしい』という声が上がっていますが、そんなに簡単に制度が変わるはずもなく、ある学生は『為替レートばかりチェックしている』と話していました」(都内中堅私大関係者)
「日本=物価が高い国」だったのは、もはや過去の話。アメリカでは、大学のカフェテリアで食事をしても1食1000円以上かかるというから、日本の平均的サラリーマンよりよほどリッチな昼食だ。物価高は日本人留学生だけの問題ではないが、円安は確実に日本人が留学するチャンスを奪っている。都内の私立高校で進学指導にあたる40代の男性教師は、こう述べる。
「我々の時代は大学選びも学部選びもわりと適当で、“数学が苦手だから文系”といったレベルでしたが、今の高校生たちはとにかくマジメで実利重視。ネットでいくらでも情報が拾えるので、就職な有利な学校や、将来食べていけるスキルが得られる学部しか選びません。勉強ができる子はとりあえず理系。最新トレンドは、AIや情報系です。
円安も志望動向に大きく影響を与えています。語学系や『国際』と名の付く学部、近年急増するグローバル学部などは安定した人気がありますが、コロナで海外渡航が難しくなり、モチベーションを失う受験生が続出しています。さらに、極端な円安で留学のハードルが上がり、海外留学は現実的でないと、進路を変える生徒もいます。そもそも、全大学生の約半数は奨学金を受けており、経済的に余裕がある家庭は一握り。留学を視野に入れた学部を選べる学生は、同級生から羨望の眼差しで見られるような状態です」(私立高校教師)
ドルで資産を持っていたり、親がドル建てで給料をもらっていれば話は別だろうが、そんな家庭はごくごく一部。若者の勉学への意欲を削ぐ国に、明るい未来はあるのか……。
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