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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 平野紫耀の「遅どり」スキルを解説
キンプリ学

King & Prince「ツキヨミ」激ムズダンス! 現役振付師も脱帽した平野紫耀の「首の強さ」「遅どり」 ~キンプリ5人のスキルを徹底解説

「Trace Trace」平野紫耀のすごさがわかるスキル「遅どり」とは?

 キンプリのダンスを大研究するため次に取り上げるのが、10thシングル「TraceTrace」(2022年9月14日リリース)です。

 この曲も決して簡単ではありませんが、「ツキヨミ」「ichiban」と比較すると、難易度はやややさしめ。メインが表の音(オンカウント)なので、リズムが取りやすくなっています。また、他の2曲と比べると音の質感が軽いのも特徴。ガラッと雰囲気を変えて、シャープな動きで音を表現しています。ダンス自体は人間らしい複雑な体の使い方と、ロボットのような直線的な動きが入り混じっているのが見どころです。

 まずは、Aメロ【2:58】「話したいことがあったんだ」の永瀬くんに注目。体が先に動き、頭を残しているので、次の場面への切り替えが鮮明になります。体に余計な力が入っていないのもGOOD! さらに、これだけ体と頭の動きをズラしているのに一切ブレていない。強い体幹があるからできることです。他の曲でもそうですが、永瀬くんは基本的にあまり頭を動かさずに踊るタイプ。平野くんとは対照的で、ダンスに迫力はなくなりますが、どの瞬間でもしっかり顔が見えていて美しく踊ることができます。

 次に【3:13】「So I just undertake」で一時停止。あれ? 平野くん、もはや宙に浮いてない(笑)? 体を上に引き上げたとき、つま先立ちになっていますね。それだけ体を持ち上げる筋力が強いのと、バランス感覚が優れている証拠です。
 
 【3:15】「言える想いの全てが」は、岸くんの顔が一番長く見えています。ほんの一瞬ですが、これだけでとても印象に残りやすくなりますね。頭をしっかり固定できているので、ここのロボット風の振り付けにも雰囲気が抜群に合っています。

 【3:20】、足タッチの瞬間は、神宮寺くんの表情をチェック! 楽しそうですね~♪ さらに、2回目の足タッチの瞬間はしっかりカメラを見ていて、ファンへのアピールも上手です。

 サビに入ります。【3:33~3:34】「いつか思い出して ここにいたことを」「“だ”して“ここ”」の部分を何度か再生してみてください。平野くんが少し遅れているのが目につきませんか? これは「遅どり」と言って、リズム感が優れていることが原因でそう見えるんです。

 遅どりの人は、人より音をよく聞いているので、ワンテンポ遅くなります。もちろん、人とズレてしまうデメリットもあるのですが、音に綺麗にハマれたり、より印象に残りやすくなったりと、メリットが多いと言われています。ちなみに、反対の「早どり」にはメリットはありません。過度に緊張したときなどになりやすく、ダンススタジオではリズム感がないとして怒られちゃいます。

 【3:49】「僕は今ここ」の部分は、髙橋くんが一番深く沈むことができています。「ツキヨミ」でもピックアップしましたが、彼は下半身が強いですね。【3:58】でも、誰よりも高く飛び上がっています。

 2番のBメロ【4:26~4:29】は、表の音も裏の音も両方取る、細かいリズムです。リズム的にもスピード的にも難しい部分ですが、全員が軽快に踊りこなせていますね。

 【4:37~4:38】。やっぱり平野くんは頭の動きが抜群にうまいですよね。首が強い! 頭をなめらかに左右に揺らすことで、力の抜け感を表現しています。

 2番サビ【4:55】まで進み、ステップ後の「歩けるだけ」の部分で停止してみてください。ここの高速ステップから一気に力を抜く表現がうまいのは神宮寺くんです。すごくなめらかに動けていますね。

 間奏パートの【5:03~】は、あなたの推しをCHECK! ここ、各メンバーの個性が一番よく見える部分なんです。無重力感・軽快さNo.1は神宮寺くん顔を正面から外さず見せる、アイドル感No.1は永瀬くん、「遅どり」の天才・リズム感No.1は平野くんクリアな動きで正確さNo.1は岸くん可動域の広さとスピード感No.1は髙橋くん。それぞれの得意が詰まっていて素晴らしいパートです!

 【5:29~5:31】「鳴らそうな~朝に触れた手に重ねて」。……はい! 平野くんの首!! そろそろしつこいですか(笑)? どうしても、平野くんに目が惹きつけられます。1人だけ、首でもリズムを取っちゃってます。そのあと【5:35~5:36】を見ても、平野くんだけ首の動きがありますよね。そのままバチンとスイッチ入る感じがかっこいい!

 さてさて、最後に見てほしいのは【5:45】の髙橋くん。すごい動き! 頭と腰は後ろに引いて、胸は前に出ていますね。頭・胸・腰の3点でそれぞれリズムを取っているので、ポーズが複雑になっています。

「ichiban」はリズムがひとつ多い!? ダンサーでも踊れないレベルの高難易度

 最後に解説するのは、キンプリ4thアルバム『Made in』収録曲「ichiban」(2022年6月29日リリース)。これも踊ってみたんですけど、難しかった……。

 「ichiban」の難しいポイントは「振り数の多さ」です。

 通常、振り付けを作るときのリズムは、表の音と裏の音の組み合わせです。「ツキヨミ」でも触れましたが、「ワンツースリーフォー」(表の音)もしくは、「ワン“and”ツー“and”スリー”and”フォー“and”」(裏の音)この組み合わせ。ところが、この曲はそうじゃないんです。なんと、リズムがひとつ余計に増えているんです。

 どういうことかというと、「ワン“タタ“ツー”タタ”スリー“タタ”フォー“タタ”」というように、裏の音をひとつ増やしているんです。「ichiban」の何がヤバいって、この表の音と裏の2拍の音に、不規則に振り付けがついているということ。体感的には、曲の3倍くらいのスピード感で踊らないとついていけません。ダンサーでも完璧には踊り切れない人が続出するレベルの超難易度!

 筋肉が張り裂けそうなほどパワーが必要なスピード感、そして一瞬の「間(ま)」で見せる、立ち位置の高速移動が見どころです。

 
 さっそく【0:10】で停止して、平野くんと髙橋くんを見てください。右足を引くときに顔も合わせて動かせていますね。こうすることで、体の流れをより大きく伝えることができます。

 冒頭サビの【0:14】「まさかのまさかから一気にリアル」の直後、平野くんの体が上まで伸び切ってから、「溢れ出す」で一気に沈みます。これが、キレを生み出す「準備動作」の大きさです。平野くんは、前後の動きの流れを考えて準備動作を行う先読みのセンスがズバ抜けて高いんです。

 続いて、そのまま【0:16】まで進めてください。首、大丈夫? とれちゃうよ? やっぱり首が強いです、平野くん。

 【0:25~0:27】「さあ行こうか 時はついに満ちた」。出ました! 高速移動! 最初は神宮寺くん、続いて髙橋くん、平野くん、最後に岸くんと永瀬くん、絶妙なタイミングで動き出して最後に揃う、非常に複雑な移動です。しかも速い! 平野くんは後ろが見えていないので、少しでもタイミングがズレると神宮寺くんにぶつかります。息をピッタリ合わせるのに、たくさん練習したんですね。

 Aメロ【0:38~0:40】「やり方で 感じ方で」の部分、めっちゃ難しいです。まずリズム。手と足で、それぞれ別のリズムを取っています。足では歌詞のメロディーを、手では裏から聞こえるドドン、ドドンという低音を取っています。そこに首の動きまで加わって……もうムチャクチャ(笑)! よくこんなリズムが取れるなあと、見惚れてしまいました。

 再びサビの【1:11】「一心不乱」を言い切った直後、平野くんだけ頭の動きが遅れているのが見えるでしょうか。「TraceTrace」でも触れましたが、これが「遅どり」です。平野くんがすごいのは「遅どり」のセンスだけではなく、次の瞬間には他のメンバーと同じポーズになっているというところ。ワンテンポ遅れて動いているにもかかわらず、0.2秒後には他のメンバーに追いついているということは、それだけすさまじい速度で動けるということです。

 さらに、ここで髙橋くんにも注目です。後ろへ体を引くノリが大きいのがわかりますか? 腹筋・背筋が強く、リズム感がいいからこそハマれるポーズです。

 そして間奏へ。【1:30~1:40】が、超高難易度のポイントです! 振り付けは通常、踊り手のスキルや体力を考慮して加減するもの。もちろん、アイドルなら笑顔で歌って踊れるレベルに調節します。ところがこのパート、間違いなくダンサー向けに作っている、一切手加減なしの振り付けです。コレオグラファーのRIEHATAさん、容赦ない!

 そして、それにきっちり対応するキンプリのダンススキルは、やはりアイドルの域を大きく超えています。「ワン“タタ”ツー“タタ”スリー“タタ”フォー“タタ”」という細かいリズムを取り、それぞれにアクセントをつけながらも、微妙に力の入れ具合を変えているところがパーフェクト!

 そんな激ムズパートでも光るのが、神宮寺くんのクリアな踊り方。【1:37】で頭を右に当てるときもブレがなく、とても綺麗ですね。【1:39】では、一番右の永瀬くんがサラッと肘でリズムを取っていますが、片足の不安定な体勢のままリズムを取れるのは強い体幹がある証拠です。自然にやっているけどかなり難しい。そしてここでも、顔がブレない!

 【1:54~1:56】「とは言われても 可能性 探したくて」、やっぱり髙橋くんは下半身が強いですね。足をこれだけ大きく振って反転しても、一切ブレていません。その直後の「探してる」の部分では、一気に力を抜くことができているのも上手です。

 このあと【2:29】からは岸くんが注目ポイント。【2:32】「強引にぶっち切るのみ」までみんなで移動した直後、【2:34】から岸くんだけ追加の大移動。スピード感があるフォーメーションですね。とてつもなく体力を消費しそうです。

 【3:32~3:35】髙橋くん、スイッチオン! かっこいいですね~。首がとれちゃいそうなくらいです。これだけ爆発してくれると見ていて楽しいし、RIEHATAさんもきっとうれしいだろうなあ。

 【3:57】からは全員で下にリズムをとっていますが、足だけでなく胴体から沈んでいます。体全体で丁寧に一音ずつリズムを取ることで、重低音をより表現することができていますね。ただし、上半身も揺らすことで、足にはより大きな負荷がかかります。キツいからといって、楽して腰の位置が上がると音が軽く“見えて”しまいます。曲の終盤に全員で中腰……みんな、すさまじい体力です。

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