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菅前首相がジワリと存在感を増す… 那覇市長選での自公候補勝利に大きく貢献

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自公推薦の知念氏の那覇市長選での勝利を一面で報じる10月24日付の「琉球新報」と「沖縄タイムス」

 先月10月23日投開票された那覇市長選は、無所属新人で、自民・公明が推薦する前副市長の知念覚氏(ちねんさとる、59歳)が6万4165票を獲得し、名護市辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」が擁立した前沖縄県議の翁長雄治氏(おながたけはる、35歳)に1万40票差をつけ勝利した。

 知念氏は前沖縄県知事の翁長雄志氏(おながたけし)が那覇市長を務めた14年の間、総務部長、政策統括調整監などの要職に起用された側近中の側近。後任の城間幹子市長時代は副市長として市政を支えた。対立候補の翁長氏は翁長前知事の次男で那覇市議、県議を経て、今回の市長選に挑戦したが、38年の行政経験を持つ知念氏とは比ぶべくもなかった。

「オール沖縄」側も那覇市経済の立て直しに加え、国との折衝という難しい舵取りをこなさなければならない那覇市長に、前知事の次男という以外に何の取り柄もない雄治氏が適任でないのは分かっていた。「もはや翁長前市長の遺産だけでは勝利できない」(オール沖縄陣営関係者)の言葉通り、「オール沖縄」側も城間幹子前市長が今年5月2日に今期限りの引退を表明してからは、知念氏の擁立を検討していた。政府、「オール沖縄」の両陣営とも、知念氏こそが那覇市長に最も相応しいとの認識のもと、同氏の説得に動いていた。

 最終的に知念氏は自民、公明の政権与党が推薦する候補として那覇市長選に臨むことになった。当初は知名度の低さが懸念されたが、当時の城間幹子那覇市長が市長選告示(10月16日)の4日前の12日に知念氏の支持を表明したことから知名度も一気に上がり、流れは変わった。

自公逆転劇の陰に菅前首相

「オール沖縄」を構築した翁長雄志前知事の那覇市長時代の側近であった知念氏に自民・公明推薦候補としての那覇市長選出馬をのませ、「オール沖縄」の全面支援のもと、過去2回の那覇市長選を制した城間幹子前市長に自公推薦の知念氏への支持表明をさせたものは何だったのか?その鍵は沖縄と菅義偉前首相の長年にわたる“関わり”にあるようだ。

 10月9日配信の時事通信の記事は菅氏が同月7日から8日にかけ沖縄を訪問し、知念氏の事務所を訪ねて激励し、県内の財界関係者らと面会を重ねたことを報じているが、菅氏はずっと以前から沖縄に足繁く通っていた。

 特に安倍政権時代の官房長官時は敵対する「オール沖縄」陣営であってもキープレイヤーとの関係構築に努めた。その最たるものが、翁長雄志県政時代、副知事だった安慶田光男氏との太いパイプだ。二人の間には「ホットラインが設けられている」(県庁関係者)と揶揄されるほど、しょっちゅう、携帯電話でやり取りする仲という。 

 菅氏は副知事だった安慶田氏が教職員口利き疑惑で辞任した後も見捨てることはせず、2017年9月、安慶田氏が代表幹事を務める「沖縄経済懇談会」が始動した時は祝電を送り、蜜月関係が維持されていることを内外にアピールした。

 知念氏はその安慶田氏の「操り人形」とも言われる。菅氏にしてみれば、安慶田氏の承諾さえ取れば、後はすべてが思惑通りに動いた。

 10月14日配信のニュースサイト「SAKISIRU」の記事は、沖縄県の自民党関係者の「(二期)8年間、城間市長の裏方で自民党本部や(安倍・菅)政権との交渉を知念氏が引き受けていた」とのコメントを載せている。この過程の中で、菅氏は安慶田氏だけでなく、知念氏との個人的関係も構築したのかもしれない。

 菅氏は昨年10月4日の退陣以降、一切の政府・党の要職に就いていない。しかし、現在の岸田政権も「沖縄絡みで何かをする時は、松野博一官房長官が一応、菅氏に声をかけるのだ」(全国紙、政治部記者)という。

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