カズレーザー、ウエンツ瑛士、千鳥も… ニュース解説番組の大ブームと高すぎるあのハードル
#テレビ #ウエンツ瑛士 #千鳥 #カズレーザー
出版界ではいま、「○分でわかる○○」という本が大ブーム。一方で、若者は映画やテレビ番組を倍速で視聴し、コスパならぬ「タイパ(タイムパフォーマンス)」や「時短」がヒットの大事なキーワードとなっているが、テレビ界でも今秋、それを意識した番組がスタートした。
カズレーザーが司会の『カズレーザーと学ぶ。』(日本テレビ系)は“超ハードコア教養バラエティ”を謳い、最先端治療、AI、遺伝子研究、サイバー犯罪など、難解なテーマをわかりやすく解説。
一方、ウエンツ瑛士が司会の『60秒で学べるNews』(テレビ東京系)は、番組名どおり、ニュースの背景や意味を60秒で解説するものだ。
さらにTBSは10月31日、日常の疑問を千鳥に“かいつまんで”説明する『千鳥のかいつまんで教えてほしいんじゃ!』という番組を放送。類似番組が次々と登場している。
「カズレーザーとウエンツ、さらに千鳥の番組は、扱う情報が絶妙にバッティングしていませんが、こういった教養バラエティ番組の狙いは、視聴者層が広いこと。歌番組、スポーツ中継、バラエティ、アニメといったジャンルは世代を選びますが、教養番組はターゲットが老若男女に及び、家族で楽しめるので、常にニーズがあります。近年の代表的な成功例は『チコちゃんに叱られる!』(NHK)でしょう。
ただ、教養番組は当たれば大きく、チコちゃんのように“毎週、家族で見る”という流れができますが、広い世代をターゲットにするということは、全世代にソッポを向かれる可能性もあるわけで、“大ハズレ”することも少なくないのが現実。ウェンツの番組に関して言えば、テレ東は2019年から2020年にかけて『滝沢カレンのわかるまで教えてください』という番組をやっていたので、テレ東はニュース解説番組でどうしても当てたいようですが……」(キー局関係者)
気になるニュースを丁寧に解説してくれるのは有り難いが、硬派になり過ぎれば退屈になり、笑いを混ぜすぎれば、真面目にニュースを理解したい人は離れてしまう。そのあんばいが制作者と出演者の腕の見せどころだが、このジャンルではもはや“伝説”となっている番組があるという。
「ニュース解説といえば、選挙特番をはじめ、各局で色々な番組の司会を務める池上彰氏の顔が真っ先に思い浮かびますが、その池上氏がNHK時代に手掛けたのが『週刊こどもニュース』です。
この番組は、池上氏が『ニュース番組は難しい。子どもが理解できない』と上司に言ったところ、『じゃあお前がやれ』と言われ、誕生したとか。子どもが理解できるようにわかりやすく解説するスタイルが徐々に話題になり、実際のコア視聴者は大人だったとも言われていて、民放のニュース関係者も必ずチェックして勉強していました。
『こどもニュース』はもう10年以上も前に終了しましたが、字幕を入れたり、フリップやパネルを使ったり、模型を作ったりして解説するスタイルは、その後、いろいろなニュース番組に受け継がれました。……報道番組や教養番組でこのクオリティを超えるのは至難の業。カズレーザーやウェンツには、民放だからこそできることに期待したいですね」(同上)
放送期間が“時短”にならなければいいが……。
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