『笑っていいとも』後番組が比較されるお昼の帯番組の怪物フォーマット
#深田憲作 #企画倉庫 #アレのどこが面白いの?~企画倉庫管理人のエンタメ自由研究~
放送作家の深田憲作です。
「企画倉庫」というサイトを運営している私が「あの企画はどこが面白いのか?」を分析し、「面白さの正体」を突き止めるための勉強の場としてこの連載をやらせてもらっています。
今回のテーマは「『笑っていいとも!』について」です。
現在フジテレビの昼帯に放送されている『ポップUP!』が年内で終了となり、来年1月から『ぽかぽか』という新番組がスタートすることが発表されています。
MCはハライチと神田愛花さんが務め、生放送で行うバラエティとのこと。
昼の帯番組でバラエティといえば真っ先に思い浮かぶのが『森田一義アワー 笑っていいとも!』。もし新番組が視聴率で苦戦した日には、またぞろ『いいとも』と比較され、番組内容や演出に対するバッシング記事が出そうです。
しかし、新番組が始まるということは前番組の視聴率が振るわなくて終了しているということであり、視聴者が裏番組に流れているということ。特に帯番組は1度ヨソに流れた視聴者を取り戻すのは至難の業。帯番組の視聴習慣というのはそう簡単には変わりませんから。
番組開始当初は視聴率が低迷するのは当たり前で、のちに成功した番組もほぼ例外なく苦戦しています。『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)も『バイキング』も『ラヴィット!』(TBS系)も、開始当初はテレビ業界内外から辛辣な言われ方をしていたものです。
テレビ制作に関わる者としては「帯の新番組は1~2年は大目に見てあげましょうよ」という気持ちです。ましてや、番組開始直後に『いいとも』と比較されるのはあまりに可哀想というもの。まだ体も出来ていない1年目のプロ野球選手を、全盛期の王貞治さんや松井秀喜さんと比較するようなものです。それくらい『いいとも』は偉大な存在。32年間も帯でレギュラー放送され、25年連続同時間帯視聴率首位を記録した怪物番組ですから。
では、『笑っていいとも!』はどんな番組だったのか?
私の知る限りでは番組のフォーマットは数十年間ほぼ、変わらず。オープニングの後にタモリさんがゲストとトークをする『テレフォンショッキング』があって、その後は曜日ごとに違う企画をやって、最後は曜日対抗の選手権的な企画があって、エンディング。この形でずっと放送されていた印象です
雑に言ってしまえば「タレントが生放送でゲーム企画を楽しむ番組」だったと思います。
トレンドや世代間ギャップをクイズにした企画もやっていたと思いますが『ヒルナンデス!』ほどの情報性はなかったはずですし、『バイキング』(フジテレビ)のようなニュース性もなかったはず。テレビ番組で視聴率を獲ろうとする時には「情報」「興味」に頼りがちなのですが、それよりも「面白い」「楽しい」に重きを置いた番組作りだったような気がします。
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