本田翼の演技が物議を醸す理由は「棒読み」ではない? 演技講師が考察
#ドラマ #本田翼 #秋草瑠衣子
連続ドラマ『君の花になる』(TBS系)で主人公の仲町あす花役を演じる本田翼の演技が物議を醸している。ここ数年、『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』シリーズ(フジテレビ系)をはじめ数々のドラマに出演してきた売れっ子女優だが、『君の花になる』初回放送後には本田の演技がネット上で物議を醸し、Twitterで「本田翼の演技」や「演技下手」がトレンド入りする騒ぎとなったのだ。
一体なぜ、ここまで大きな議論を呼ぶことになったのか。現在「エイベックス・アーティストアカデミー」のシアター総合コースディレクターとして演技講師も務める演出家で俳優の秋草瑠衣子氏に『君の花になる』を見てもらい、その理由や演技の特徴を探ってもらった。
主人公の「情緒不安定」なキャラ設定が一因か
なぜ本田翼さんの演技が物議を醸すのか知りたい……という理由で、解説のご依頼を頂きました。まず一つ言えることは、今(第2話)の時点では、主人公のあす花が視聴者から“愛されにくい設定”になっているのではないでしょうか。
まず前提として漫画、アニメ、ドラマ、映画など、あらゆる「物語」を魅力的だとと感じさせるためには、観客に「主人公と友だちになりたい」と思わせることが重要です。
誰もが知っているようなアニメを思い出してください。例えば、7つのボールを集めると龍が願いを叶えてくれるあのアニメとか、海に近い高校で赤毛の主人公がバスケットボール部に入部するあのアニメとか……どの作品も主人公は世間知らずだったり、怒りっぽかったり、ちょっとドジだったりと欠点もあるのですが、性格に一貫性があり、みんなから応援されています。そこには「それでも憎めない」「だけど、めっちゃ良い奴」といった根拠が、物語の中できちんと語られているんです。
そして、『君の花になる』のあす花の人柄ですが、一見、とても明るく、目上の人にも臆せず意見も言える性格で、年下の男子たちとも良い関係を築けているように見えます……が、とても大きなトラウマを抱えていて、暗い部分も持っていそうなキャラクターであるため、情緒不安定に見えるんです。例えば、「教師には絶対戻りたくない!」と言った直後に、突然満面の笑顔で「佐神くんの元担任だもん!」と言い放ったり……。性格に一貫性を感じられないため視聴者が違和感を抱き、本田さんの演技に対する違和感にもつながっているのではないでしょうか。
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