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本田翼『君の花になる』が『ちむどんどん』状態? 有名人からも酷評され…

本田翼『君の花になる』が『ちむどんどん』状態? 有名人からも酷評され…の画像
ドラマ公式サイトより

 イケメンに力を入れすぎて肝心のドラマが“添え物”すぎた?

 今期、いまひとつパっとしないのがTBSドラマだ。“看板”である日曜劇場の『アトムの童』(主演・山崎賢人)はこれまで放送された6話までの世帯視聴率の平均は9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、2019年1月期の『グッドワイフ』以来の1ケタで推移。かつて山下智久主演でヒットした作品の実質リメイクとなる金曜ドラマ『クロサギ』(主演・平野紫耀)も、視聴率は初回9.2%から第5話では6.2%と右肩下がりとなっており、苦戦している。

 だが、『アトムの童』はコア視聴率(13~49歳の個人視聴率)、『クロサギ』はTVerでは好調であり、その意味では評価の軸が変わっただけ、と言えるだろう。一番の問題は、火曜ドラマ『君の花になる』だ。

 本田翼主演の『君の花になる』はこれまで放送された5話の世帯視聴率の平均が5.62%。今期民放ゴールデン・プライム帯ドラマでは『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ系)の平均3.85%、『霊媒探偵・城塚翡翠』(日本テレビ系)の平均5.3%に次ぐワースト3位だが、コア視聴率では『霊媒探偵・城塚翡翠』を下回る結果となっている。さらに、回を重ねるごとにTVerでの動きも鈍ってきており、TVer総合ランキングでは放送開始当初は4日以上トップ10にいたものの、最近は2日ほどでトップ10から脱落してしまう状態だ。

 株式会社角川アスキー総合研究所によるツイート解析サービス「ついラン」によれば、ほぼ毎話コンスタントに60000ツイート以上つぶやかれるなど、“話題”にはなっているはずなのだが、なぜこうなっているのだろうか。

「ひと言でまとめれば、SNS人気はあくまで出演しているイケメン人気によるもので、ストーリーと演出の評判がとにかく悪いためでしょう。出演しているイケメンを応援するためSNSでは盛り上がるが、イケメン目当ての視聴者たちからも『脱落した』『脱落しそう』との声が多く上がっており、ありえないストーリー展開や、安直な胸キュン演出などが不評です」(ドラマ・映画ライター)

 ドラマは、本田翼演じる元高校教師・あす花が売れない7人組ボーイズグループ「8LOOM(ブルーム)」の寮母となり、教師時代の教え子・弾(高橋文哉)と再会。契約打ち切りの危機に直面する弾ら8LOOMのメンバーをあす花が応援していく……というストーリーだ。8LOOMのメンバーには高橋文哉を筆頭に、旬の若手俳優や新進アーティストらが起用されている。

「とにかく不評なのが、恋愛要素を入れてしまった点。弾があす花に内心で惹かれているのは第1話から描かれていましたが、第5話ラストでは弾が他の女性に抱きつかれているのを見て、あす花がモヤっとしてしまうという展開になり、『恋愛絡んできてつまんなくなってきた』『とにかく寮母との恋愛まじでいらない!』『寮母としての母性つらぬいてほしい』『オタクに刺さるはずのドラマなのに、寮母といい感じになるっていう、オタクが一番嫌いな展開にもってくの理解できない』といった声が噴出しており、8LOOMが成功していくキラキラした成長物語を視聴者は見守りたいのに、恋愛要素がノイズになってしまっているんです」(同)

 他にも「ありえなさすぎる」展開や演出が、視聴者を脱落させているという。

「特に第1話の“床ドン”は語り草。序盤、寮母になったあす花が弾と思わぬ再会をしてお互い驚くというシーンで、なぜかキッチンの近くにけっこうな段差があり、後ずさりした弾がこけてしまい、腕を引っ張ってあげようとしたあす花も一緒に倒れ込み、あす花が弾に覆いかぶさる形に。“胸キュン”を狙ったのでしょうが、あまりに唐突で意味不明すぎるシーンでした。

 11月18日の『久保みねヒャダ こじらせナイト』(フジテレビ系)でも放送された10月29日のトークイベント『久保みねヒャダこじらせライブ』では、今期ドラマについて語る場面があり、久保ミツロウが現在放送中のNHK朝ドラ『舞いあがれ』を絶賛する一方、大不評だった前作『ちむどんどん』のときのような毒が吐けないのが寂しいと語ると、ヒャダインが『本田翼のドラマ見てください、いっぱい毒でますから』『演技が下手なんじゃなくて、演出が酷い』などと酷評。ここでも床ドンの話がダメな演出例として挙がり、久保に『そういうの、ちむどんどんでいっぱいあった』と指摘される場面も。実際、よくわからない急展開の多さや、やたら押しの強い主人公に『ちむどんどん』と重ねて見る人も少なくないんです。第6話には『ちむどんどん』にも出演していた前田公輝が登場するので、『前田さん目当てで君花見るのはやめたほうがいいと思ったけど、ちむどんどんを乗り越えた人たちならなんとか見れるかも』なんて意見までありますよ(苦笑)」(同)

 劇中に登場する8LOOMは、期間限定ながらリアルでも実際に活動をするという展開がされており、YouTubeではデビュー曲の「Come Again」のミュージックビデオが300万回再生、続く「君の花になる」「Melody」も200万回突破。ライブハウスツアーも即完売と好調だが……。

「実際、本田翼は登場せず、8LOOMのメンバーだけがワチャワチャしているParavi限定コンテンツは大好評なんですよね。話や展開のぶっ飛び具合から、かえって『ツッコみながら見るにはちょうどいい』『ありえなさすぎて面白い』というポジティブな意見まで出ていますが、ツッコミが殺到して悪い意味で盛り上がった『ちむどんどん』とそのあたりも近いと言えるかもしれません」(同)

 さらに、劇中ボーイズグループのリアル展開によって、思わぬ“矛盾”も生まれてしまったという。音楽業界関係者が語る。

「ドラマなのでリアルな音楽業界、アイドル業界を描くことはまったく期待してませんが、それにしてもいろいろと穴だらけ過ぎて、わざとなのか?と疑ってしまうほど。第2話で本田翼さん演じる寮母が、8LOOMの歌える場所をなんとか用意したい!と商店街のお祭りで彼らがパフォーマンスできるよう取り計らうのですが、打ち合わせ等もしていたはずなのに、当日になって初めて、彼らに求められていたのは着ぐるみショーへの出演で、楽曲パフォーマンスは予定になかった……ということがわかるというのも無茶苦茶でしたし、そもそもいくら寮母が取ってきた仕事とはいえ、なんでマネジャーが放置してるんだっていう(笑)。

 あと『新曲で配信チャート1位を獲れば契約更新』という条件が突きつけられますが、ここでいう『配信チャート』がダウンロードなのかストリーミングなのかも不明。しかも、なぜかリリース日までプロモーション稼働をした形跡がなく、デイリーチャートで初登場87位という結果を見たあと、慌てて雑誌やラジオ出演を始める始末。そもそも、渋谷駅のビルボードやビジョンで大々的に新曲の宣伝をするほどのカネ、『王様のブランチ』にライブ生中継を急に差し込むくらいのコネを持っているほどの大手事務所なのに、リリース前のプロモーションをろくにしてないなんて不自然すぎますよ。リアルの8LOOMは楽曲の正式リリース前にTikTokで先行配信したり、本物のアイドル同様に、ミュージックビデオ公開日などのリリーススケジュールを事前に公開するなどして、リリース日に向けてしっかり盛り上げていただけに、劇中の8LOOMのプロモーション体制のグダグダさが謎すぎました」

 11月22日放送の第6話では8LOOMがすっかり売れっ子になってしまうようで、「トップアーティストになる夢を応援する」というドラマのコンセプトからもズレていきそうだが、はたして……。

 

宇原翼(ライター)

雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。

うはらつばさ

最終更新:2022/11/25 14:29
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