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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『貞子DX』“貞子”の現代風刺劇

『貞子DX』普通のホラー映画ならすぐ死ぬ“IQ200超天才”小芝風花とオカルトの頂上決戦!

絶対欠かせない「霊媒師役」ももちろん登場

 恐怖が拡散されるメカニズムについては、『シライさん』(20)の、認知することよって拡散される……と少し似ているが、今作は風刺劇。その題材は、今や私たちの身近で、恐怖と不安が拡散されるもの。こう言われて、一体何を思い浮かべるだろうか……。そう、新型コロナウイルスだ。

『貞子DX』日本を代表するホラーアイコン貞子の斬新な現代風刺劇!!の画像5
絶対欠かせない霊媒師(または霊能力者)枠に、池内博之。©2022『貞子DX』製作委員会

 今作においての“貞子”は、新型コロナウイルスのメタファーとなっているのだ。偶然にも、今月公開されたばかりのホラー映画『オカムロさん』が少し似たアプローチをしていた。日本でも海外でも、ゾンビものは多いが、もはや貞子の存在までその枠組みに入れられてしまったかのようで、斬新に感じる一方、少し複雑な気持ちにもなる。

 そして、観終わった後は、「……そんな解決法ってある?」って思うかもしれない。でも、今の社会が正にソレだ。滑稽でありながらも、それは現代社会においてリアルでもある。私たちは、“貞子”に今後も付き合っていくしかないのだ……。

 キャスティングとしておもしろいのは、主人公を演じる小芝風花が、今回は「幽霊なんて信じない、呪いなんて信じない、全て科学や数学で解決できる」という強気なキャラクター、つまり、自身の主演作『妖怪シェアハウス』とは、真逆な役を演じているところだ。

『貞子DX』日本を代表するホラーアイコン貞子の斬新な現代風刺劇!!の画像6
©2022『貞子DX』製作委員会

 ちなみに、今作の監督・木村ひさしは、『ガメラ2 レギオン来襲』(96)の助監督だったこともあって、呪いのビデオを観るためにビデオデッキを探すくだりでは、木村監督ならではネタが盛り込まれている。

 


『貞子DX

10月28日(金)全国ロードショー

出演:小芝風花、川村壱馬(THE RAMPAGE)、黒羽麻璃央、八木優希、渡辺裕之、西田尚美、池内博之
監督:木村ひさし
脚本:高橋悠也
主題歌:「REPLAY」三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(rhythm zone / LDH JAPAN)
製作:『貞子DX』製作委員会
配給・制作:KADOKAWA
Ⓒ2022『貞子DX』製作委員会
2022年度作品/ カラー作品/ 上映時間:100分

バフィー吉川(映画ライター・インド映画研究家)

毎週10本以上の新作映画を鑑賞する映画評論家・映画ライター。映画サイト「Buffys Movie & Money!」を運営するほか、ウェブメディアで映画コラム執筆中。NHK『ABUソングフェスティバル』選曲・VTR監修。著書に『発掘!未公開映画研究所』(つむぎ書房/2021年)。

Twitter:@MovieBuffys

Buffys Movie & Money!

ばふぃーよしかわ

最終更新:2023/02/24 11:35
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