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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『ねほぱほ』タイムリーなボディーガード特集

『ねほりんぱほりん』安倍元首相銃撃の3カ月前に収録したボディーガード特集。彼らは身を盾にして依頼者を守るのか?

人を守る職業だと、身内の危機に駆けつけられない

 そもそも、なぜ彼らはこんな危険な仕事に就いているのか?

「『君にだったら俺の背中預けられるな』みたいな信頼感のある男って、カッコいいなと思って。男を磨きたいと思い、ボディーガードを目指したんですよね。それこそ、『無人島になにか1つ持っていけるというのであれば、君を持っていきたい』と言ってもらえるような男になりたいと思っていました」(カズマさん)

『ねほりんぱほりん』にしてはめずらしく、承認欲求おばけが登場しない特集だと思っていたが、やはりこのテーマにも承認欲求は欠かせなかった。

 でも、今、カズマさんはボディーガードを仕事としていないという。ベンチャー企業で人事をやっているそうだ。

「きっかけになったことがあったんですけど、東日本の震災があったときでした。実は、身内を津波の被害で亡くしていまして。その当時なんですけど、僕、地方に出張で警護の仕事をしていて行けなくて、身内からは口撃されて『家族じゃない』くらいに言われたんですけど。そういうときにすごく悩んでしまって。本当は守りたい身内がいるのに、僕は他人である第三者を守らなきゃいけない。『自分の幸せってなんなんだろうな?』って迷いが生じてしまったんですよね」

「迷いがあるボディーガードがずっと現場に出続けるのも、『クライアントの安全を守れない』ということにつながります。それで、無理かなというふうに思いました」(カズマさん)

 人を守る職業だからこそ、身内の危機に駆けつけられないこともあるというジレンマが、とても切ない。

 一方、ヒロキさんも今はボディーガードではない。なんと、便利屋を始めたそうだ。その一環として、ボディーガードを請け負うこともあるという。

「私に依頼してくる困っている人って、お金のない方が多かったんですよ。ボディーガードの料金だと払えない方が多くてですね。本当に困ってて『5000円しか出せません』みたいな人がいたので、それだったらボディーガードじゃなくて便利屋としてやって、いろんな困ってる人に対応できるように」(ヒロキさん)

 便利屋というと、どうしても「多田便利軒」(=『まほろ駅前多田便利軒』。瑛太と松田龍平が主演の、テレビ東京系で放送されたドラマ)を思い出してしまうが、それとはちょっと違うらしい。便利屋として間口を広げ、変わらずに困っている人を助ける。なかなかできることではないと思う。

 面白い依頼の紹介だけではとどまらなかった、今回の特集。「人を守る職業だと身内の危機に駆けつけられない」「困っている人にはお金のない方が多い」など、本質的な話が最後に聞ける構成もよかった。

 あと、「安倍元首相の銃撃事件後に収録していたら、どんな番組になっていただろう?」なんてことも、少しよぎった。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2022/10/29 13:37
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