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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『ねほぱほ』タイムリーなボディーガード特集

『ねほりんぱほりん』安倍元首相銃撃の3カ月前に収録したボディーガード特集。彼らは身を盾にして依頼者を守るのか?

ボディーガードを雇って“メイウェザーごっこ”をする中年男性

 ボディーガードが請け負うミッションには、さまざまな案件がある。決して、身の危険を感じるような依頼ばかりではないようだ。


【ケース1】

 離婚調停中の父親側から「子どもを守ってくれ」という依頼があり、カズマさんは4年間にわたりクライアントの子どもを守っていた。離婚調停中は夫婦2人に親権がある。だからこその、「お母さんと子どもを切り離し、子どもを持っていかれないようずっと警護してくれ」というミッションである。登下校時も、習い事や友だちの家に遊びに行くときも、そのお子さんのためのガードは続いた。

 そしてある日、やはり母親側が子どもに会いに来たという。

カズマ 「習い事の帰りのときだったんですけど。お母さんも泣いていて、お子さんも泣いてしまって、2人して泣き崩れて抱き合ってる状況」

YOU 「どうするんですか?」

カズマ 「2~3分好きにしてもらおうと思って。で、ちょっと落ち着いたところで、『もうそろそろいいですか?』と声をかけて、(子どもと)一緒に帰ると」

山里 「引き離されるときに、奥さんはすんなり渡してくれました?」

カズマ 「どうしようもないときは、引き離さないといけないです」

山里 「でも、泣きながら別れを惜しむお母さんを見てたら、罪悪感とかはないですか?」

カズマ 「……もちろん、ありますね。でも、そこは割り切らないといけないので」

 いわゆる、連れ去りというやつだ。「どうしようもないときは、引き離さないといけない」というカズマさんの発言も、その光景を思い浮かべるとかなり無慈悲ではある。体力より、精神にくる仕事だと思う。4年も依頼し続けたということは、お金持ちの依頼人だったということも窺えた。


【ケース2】

「私の場合、普通の一般の方がカッコつけて銀座のクラブやキャバクラに行くためにボディーガードを雇うっていうのはありましたね」(ヒロキさん)

 40代くらいの気の弱そうな男性が、イキるための演出としてアクセサリー的にボディーガードを雇うわけだ。“浜崎あゆみごっこ”というか“フロイド・メイウェザーごっこ”というか……。

「『イメージ通りのボディーガードらしい動きをしてくれ』って言われてましたね。そのときは、お店に入っていくときも先行してバーっと入っていって、ライトとかで椅子の下をバッて照らして、顔も頻繁にキョロキョロ動かしたりして、店の方に『困ります、困ります!』って押し出されるまでが一連の流れです。追い出された後は、外でずっと待ってるって感じですね」(ヒロキさん)

 あえて下手糞なボディーガードを演じ、「困ります」と店員に追い出されるまでが一連の流れ……と想定した、コントのような依頼だ。いわば、見栄のためのお飾りボディーガードである。正直、惹かれるものがある。筆者も1度お願いしてみたいと思った。

 もちろん、ヒロキさんにとっても楽な依頼内容だろう。でも、なんとも言えない気持ちになるのでは……。

山里 「虚しくなったりしないですか、そういう日って?」

ヒロキ 「でも思うんですけど、本人の寂しさもあると思うんで。その寂しさも満たしてあげる、心の安全を守るっていうのも、我々の仕事の範疇かなって思います」

「心の安全を守る」とは、またうまいことを言うな……。しかし、当然お金はかかる。ボディーガードの料金は1人あたり1日4万円で、その案件は3日間続いたそうだ。これだけで、計12万円に達している。さらに、ボディーガードは2名いたので、12万円×2でしめて24万円だ。

 1日で4万円なら、意外に安い気もする。おそらく、レンタル彼女より安い。だとしても、ただの自慢のために24万円出費は常軌を逸している。「そのお金でどれだけキャバクラに通えるんだ?」と、クライアントにツッコみたくさえなった。でも、その人はその人でカッコつけたかったのだろう。まさに、「心の安全を守る」だ。


【ケース3】

 番組は、他のボディーガードにも“変わった依頼”の経験を聞き出した模様。その中には、こんなものがあった。

 対象者はアルコール依存症の女性。クライアントはそのご主人で、「妻がお酒を飲まないように日中、家で見ててくれ」と依頼が寄せられたそうだ。買い物へ行くときは一緒に付いていき、お酒だけは買わせないよう目を光らせるミッションである。

「我々がいた間は飲んでいないんです、確かに。ただある日、ご主人から電話があって『いや、飲んでるんですけど』って。(お酒を)隠してるんですよ、彼女」(ボディーガード)

 というわけで、隠されたお酒を探すことになったボディーガードたち。すると、トイレの壁に不自然な箇所があることに気付いた。その壁紙を剥がしてみると、なんと壁をくり抜いてボトルを入れるスペースが作られていたそうだ。しかも、そこには3本の酒瓶が収まっていた。

 映画『ショーシャンクの空に』で、受刑者が刑務所を脱獄するときに行った手口である。アル中患者はそれほどまで、お酒を欲するわけだ。というか、お酒探しというミッションは、ボディーガードより探偵の範疇の仕事だと思う。

  要するに、お金さえ払えば雑用に近い依頼も引き受けてくれるのがボディーガードなのだ。あと、警察が民事不介入で干渉できない部分も彼らの任務の内に含まれるという事実も、改めて認識できた。

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