『KOC』と『M-1』のはざまで若手が火花を散らす「ラフターナイト」全組レビュー
#お笑い #TPの芸人礼賛
大会の“格”を底上げしているMC山里亮太の「ぶん回し」
【5】モシモシ
「これ後日ラジオで放送されることわかってるの?」という、見なきゃ絶対わからないコントを披露していて最高だった。わざとやってんのかなというくらい。そんなネタでもOKを出すTBSラジオの懐の深さに感動、芸人ファーストすぎる。
【6】大自然
2人とも体が大きくていい声なので、2階席に座っていた僕にすらかなり迫力が伝わってきてスゴかった。変化球だった前出番のモシモシのネタに対して、笑いどころがわかりやすく強いボケを揃えた大自然のネタが会場の空気にぴたりとハマって爆裂にウケていた。この時点だと、大自然優勝かぁと思った。
【7】ガクヅケ
繰り返し系のネタでお客さんが飽きずについていって笑いの渦がどんどん大きくなっていく感じが最高だった。そしてエンディングで、木田さんが同居人のサスペンダーズ古川くんに優勝を奪われて悔しがる姿が面白すぎた。賞品が多すぎてサスペンダーズが持てなくなった分を木田さんが持ってあげている姿は涙なしでは見られない、来年優勝へのフラグじゃないと可哀想すぎる。
【8】TCクラクション
完成度が高すぎるコント。いっつも漫才もコントも全部面白いのがスゴい。そして「将棋ネタ」で見事マイナビ賞を受賞したのだが「マイナビが将棋のプロジェクトもやっているから」という理由だったのが面白すぎた。
【9】サスペンダーズ
『キングオブコント』準決勝で披露したネタをかなり改良して挑んでいて感動してしまった。圧倒的1ウケで文句なしの優勝。おめでたい。
サスペンダーズは早稲田大学寄席演芸研究会(ヨセケン)出身で僕の後輩にあたる。僕が4年生のときの1年生なのでそこまで絡みはなくて「僕がずっと面倒を見てきた」とか言いたいけど、全然そんなことはない。僕が関わる番組に数回出演してもらったことがあるくらい。ここで思い出話を展開できたらよかったのに残念でならない。ただ2人ともめちゃくちゃいい奴だし、やはりヨセケンの後輩が活躍するのはとても嬉しいので、これからもっと活躍してヨセケン出身なことをPRしてもらいたい。そしてヨセケンでサスペンダーズの同期である永田敬介(元スパナペンチ)にもっとスポットが当たるように動いてもらいたい。
ただ古川くんが優勝後のコメントで「セクすば」(サスペンダーズのネットラジオの企画「セックスって素晴らしい!」の略称、知らない人は一生知らなくていい)に言及してしまっていて、あぁ無理かもと思った。
MC山里亮太
そして何よりもこの大会を「とんでもないもの」にしているのが山里さんのMCだと思う。オープニングで芸人がネタをしやすいように会場を温めたかと思えば、ネタとネタの合間には時間を見ながら笑いを交えてしっかり振り返りつつ、エンディングでは出場全組それぞれにスポットが当たるように気を遣いながらも「ぶん回し」という言葉が最もしっくりくるようなMCで笑いを量産していく。いまだイジられキャラのイメージが強い山里さんだが、この場では1人だけ圧倒的「兄さん」であるため、いわゆる「ラジオの山里さん」で伸び伸び最強のMCをしている。TBSラジオだからできるキャスティング。
このように、『ラフターナイト』は先日行われた『キングオブコント』、そしてこれから佳境を迎える『M-1グランプリ』にも負けず劣らず最高の大会である。誰に頼まれたわけでもなく、ただただみんなに知ってほしいから記事にしてみた。同い年の越崎さん(※)が担当している番組ということもあり、これからもめちゃくちゃ応援してます、越崎さんお仕事ください。
※越崎恭平:フリーのラジオディレクター。TBSラジオ『爆笑問題カーボーイ』『空気階段の踊り場』『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』、文化放送『宮下草薙の15分』などを担当。
来年もきっと開催されると思うので、ぜひチェックしてもらいたい。
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