「第35回東京国際映画祭」攻めた激奨作品4本を映画ライター・バフィー吉川が解説!
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『セルヴィアム ―私は仕える―』(「ユース」部門)
【作品解説】(公式サイトより)
ウィーン郊外のカトリック系の寄宿学校を舞台に、教義の重要さが失われつつある現状にあがなうヒロインを描く。監督は『モニタリング』のルート・マダー。ロカルノ映画祭コンペティションで上映。
ウィーン郊外のカトリック系の寄宿学校を舞台に、教義や神に仕えることの意味に疑問を抱く少女と、そんな態度が許せないシスターの対決を描いた、少しコメディタッチな物語。
前作『モニタリング』(17)も、1人で大組織、思想教育に立ち向かう男の奮闘を描いたルース・マダー監督の最新作。テーマは全く違っていても、たった1人で、当たり前になっている風習、社会のシステムに立ち向かうという点には、共通する作家性を感じる。
その世界は正しいのか、それとも壊れているのか……。
ミヒャエル・ハネケ監督の『白いリボン』(09)に出演し、2010年ドイツ映画賞で最優秀助演女優賞を獲得した、元子役女優マリア・ドラグシの演技にも注目してもらいたい。
『セルヴィアム ―私は仕える―』
制作国:オーストリア
監督:ルート・マダー
出演:マリア・ドラグシ、レオナ・リンディンガー、アンナ・エリーザベト・ベルガーほか
105分、カラー、ドイツ語、英語・日本語字幕、2022年、オーストリア
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ここで紹介した4作品の他にも、第二次世界大戦を扱った映画のヒトラー役を、そこに居合わせたエキストラが演じることになってしまう『第三次世界大戦』(イラン映画)や、『バベル』(06)や『レヴェナント: 蘇えりし者』(15)のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の7年ぶり新作長編『バルド、偽りの記録と一握りの真実』(メキシコ映画)など、今年も注目作が目白押しだ。
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