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「クリティカル・クリティーク」特別編 つやちゃん×韻踏み夫

反レイシズム以外の政治的ラップにフェミニズムとの対峙… HIPHOP批評家バトル勃発!

自分だったらどの300枚を選ぶか?入れられなかった楽曲は…

――他に、メジャー・マイナー問わず100枚+200枚から漏れた作品で特に悩んだのはありますか?

韻踏み夫 どちらかというと最近の作品が多いです。guca owlは入れたかったけど泣く泣く外しました。DELIは入れたけどAQUARIUS名義のものを入れるか迷ったし、あと剣桃太郎やKLOOZを入れられなかったのも心残りです。

――自分だったらどの300枚を選ぶか? というのはみんな考えることで、ディスクガイドの楽しみ方のひとつでもあります。今回入っていない作品だと、私はラップの独自性という点でヤマネ(YAMANE)の諸作品やDaoko『GRAVITY』、OZworld『OZWORLD』、東京ストリートシーン代表という点でYDIZZY『DIZZiNESS』、KANDYTOWN『ADVISORY』、あと近年の日本語ラップの総覧としてKM『EVERYTHING INSIDE』も入れたいな、とか考えて。すごく楽しかったです。

韻踏み夫 KMの『EVERYTHING INSIDE』もそうですが、ビートメイカー・アルバムをどう紹介するかは悩みました。今回はDJ KRUSHを入れて、Nujabesも取り上げないわけにはいかないし、という感じで最低限紹介しました。確かに、KMをねじこむ余地はあったかもしれない。あと、さっきのネットラップの話だと電波少女を入れるかどうかとか、Jinmenusagiを100枚に入れるかとか、そのあたりも考えましたね。

――このへんは、ヘッズ同士で飲みながらする会話ですね!

韻踏み夫 尽きないですね。最近の作品は、どちらかというと作品としての名盤の風格があるものを選んだんですよ。Tohji, Loota & Brodinski『KUUGA』とか舐達麻『GODBREATH BUDDHACESS』とか。なのでLEXとかJin Doggとかはアルバム単位で見るとちょっと弱くなってしまった感じです。ただ、サブスク以降となるとアルバムという形式にとらわれない人も多いので、難しさはありました。

――この先また誰かによってこういったディスクガイドが書かれた際に、また新たな見方が出てくるかもしれないですね。それにしても、今回は色々な面での日本語ラップを取り巻く話ができて非常に面白かったし勉強になりました。韻踏み夫さん、ありがとうございました。

【過去の連載はこちら】

 

 

つやちゃん(文筆家/ライター)

文筆家/ライター。ヒップホップやラップミュージックを中心に、さまざまなカルチャーにまつわる論考を執筆。雑誌やウェブメディアへの寄稿をはじめ、アーティストのインタビューも多数。初の著書『わたしはラップをやることに決めた フィメールラッパー批評原論』(DU BOOKS)が1月28日に発売されたばかり。

Twitter:@shadow0918

つやちゃん

最終更新:2022/10/24 23:28
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